研究課題/領域番号 |
02044024
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大川 治夫 筑波大学, 臨床医学系・小児外科, 教授 (30009667)
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研究分担者 |
PUTTE SCT va ユトレヒト大学医学部病理学教室(オランダ), 助教授
松本 正智 筑波大学, 臨床医学系・小児外科, 助手 (00229569)
堀 哲夫 筑波大学, 臨床医学系・小児外科, 講師 (80173615)
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キーワード | 直腸肛門奇形 / 鎖肛ブタ / cloac(総排泄腔) / cloacal plate / 内肛門括約筋 / 直腸尿道瘻 / 尿道 |
研究概要 |
1)鎖肛ブタの2家系の維持を続けている。家系内交配を続けて来たため、ブタ家系自体の劣化を来す傾向にあるので、他のファ-ムより新しい鎖肛ブタを導入し、救命、飼育することを実施している。 2)鎖肛ブタを流産により得て、連続胎児標本作製を継続している。20日令には近づいているが、それ以前の胎児は末だ得られていない。出来るだけ多くの標本を得るための方策が最も重要である。 3)ブタ標本を用いて鎖肛発生の起序を解明するべく、ユトレヒト大学において正中矢状断標本を中心に系統的検索を実施した。ユトレヒト大学で、不足の胎令に関しては筑波大学の家系より補充する事としている。合計51検体について検討した。 4)鎖肛の初期発生の誘導因子としては、cloaca分離前において尿道および直腸をgenital tubercle表面に導くcloacal plateの役割を確認したが、その誘導起序に関しては、なお20日令を用いて検索する必要がある。 5)正常における肛門管および鎖肛における瘻管はdorsal cloacaに起源している事を証明した。正常の内肛門括約筋は肛門管をカバ-するように後に直腸の内輪筋が肥大して下行する。これと全く同様に異常な瘻管に関しても直腸の内輪筋が取り囲む事を証明した。 6)鎖肛発生における性差を確認できた。20〜30日令で総排泄腔より尿生殖洞および直腸肛門が分離する過程には全く差はない。雄では直腸尿道瘻が保たれたままでこれに続く下部尿道が発達するので、長い陰茎部尿道ができる。雌では子宮管の入口部としてのMuller結節が尿道を作りながら下行するので、直腸よりの瘻孔は腔前庭に至るまで下行し、最終的に直腸(肛門)前庭瘻の病型となる。さらに病型同一家系内に生ずるこれら鎖肛ブタの病型分布の分析よりこれら雌雄の2型が同一遣伝子より生じている事が推論できた。
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