研究課題/領域番号 |
02044028
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
栗田 子郎 千葉大学, 理学部, 助教授 (20009385)
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研究分担者 |
徐 炳声 復旦大学, 環境資源生物系, 教授
顧 志健 中国科学院, 昆名植物研究所, 研究員
李 恆 中国科学院, 昆名植物研究所, 教授
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キーワード | Paris / Paris tetraphylla / Paris verticillata / Lycoris / Lycoris radiata / Lycoris aurea / Cーband / 核型変異 |
研究概要 |
1.日本固有種であるParis tetraphyllaのCーband patternとその変異が解明されCYTOLOGIA(55:301ー312)に発表した。種特異的なbandと固体特異的なbandの存在が明らかにされた。栄養体の形質と異なり、クライン現象は見られなかったが、数対の染色体に地域的な収斂が観察された。 2.Paris verticillataのCーband patternも解析され、Paris tetraphyllaとは明確に異なることが判明した。 3.中国産Paris属約10種のCーband patternが判明した。その結果は研究分担者および研究協力者と連名で1990年度の日本植物学界で発表した。熱帯産のいくつかの種に多量のCーbanding positive heterochromatinが観察されたことはたいへん興味深い。 4.長崎産のLycoris radiataの実生個体に大きな欠失を伴う核型変異が発見された。倍体が種子で繁殖した珍しい例である(La Kromosomo 57:1926ー1930)。雲南省大理産のLycoris radiataも2n=33であった。南京植物園に栽培されていた2n=33の植物は未記載の新分類群に属するものであった。 5.江南地方、主に杭州と南京で人手したLycorisを検討した結果、いくつもの未記載の分類群が存在することが明らかになってきた。ことに、従来Lycoris aureaと認識されていた黄色花を咲かせるLycorisは複数の分類群に分けなければならないと考えられた。また、韓国でLycoris aureaと同定している種はLycoris chinensisないしはその近縁種であることが決定的となった。さらに、この種とLycoris Koreanaとの雑種と推定される分類群も発見された。
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