研究分担者 |
PIQUE J.P. ジョセフフーリエ大学, グルノーブル, 主任研究員
LUNDBERG J.K マサチュセッツ工科大学, 化学科, 助手
LOMBARDI M. ジョセフフーリエ大学, グルノーブル, 主任研究員
JOUVET C. ハ゜リ南大学, 光分子物理研究室, 研究員
SOEP B. ハ゜リ南大学, 光分子物理研究室, 主任研究員
HELLER E.J. ワシントン大学, 化学科, 教授
FIELD R.W. マサチュセッツ工科大学, 化学科, 教授
大島 康祐 東京大学, 教養学部, 助手 (60213708)
金森 英人 東京大学, 教養学部, 助手 (00204545)
山内 薫 東京大学, 教養学部, 助教授 (40182597)
遠藤 泰樹 東京大学, 教養学部, 助教授 (40106159)
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研究概要 |
本研究は,東大教養とMITにおいて別個に進行している振動高励起分子の分光実験を有機的に結合させ,また,その理論解析をフランス・グルノ-ブルのグル-プの助力を得て,分子内ダイナミックスについて新しい概念の確立を目標としている。 この共同研究を開始するに当り,90年8月末に各グル-プより分担者が東大教養に集まり,意見交換を行った。その結果,次の3課題をとり挙げることとした。 1.MITグル-プは,振動高励起状態の分光情報を誘導放出励起(SEP)分光法による高分解能測定を行い,準位構造を統計的手法で解析し,振動ダイナミックスがカオス的となり得るかどうかを検討している。一方,東大教養では,分子の特定の回転振電準位を選択し,その準位から発する螢光を分光して,低分解能ではあるが,広いエネルギ-範囲のスペクトル測定を行った。その結果,基準振動モ-ドで記述できる低エネルギ-領域の準位より基準振動モ-ドの概念が崩れる高エネルギ-領域までグロ-バルな準位構造を明らかにしつつある。両グル-プで共通の対象としてとり挙げた分子はアセチレンで,そのCH変角振動のダ-リングデニソン共鳴がカオス的状況に至る鍵であることが指摘された。 2.振動モ-ド間の結合の基本を探るために3原子分子NO_2,SO_2の振動準位構造を螢光分光法で求め,グルノ-ブルのグル-プがこれにフ-リェ解析の手法を適用した。総じて,これらの3原子分子は,準周期運動をしていることが判定し,より高エネルギ-側に興味ある振動ダイナミックスの情報が含まれていると結論した。 3.以上の結果,分子の解離限界を越えるエネルギ-領域の準束縛振動状態の分光実験を東大教養,MITにおいて開始した。
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