音声データベース,及び音声入出力技術の評価手法の国際的統一に関する研究

1991 年度 研究成果報告書概要

• 研究課題/領域番号: 02044041
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 共同研究
• 研究機関: 東京理科大学 (1991); 東京大学 (1990)
• 研究代表者: 藤崎 博也 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (80010776)
• 研究分担者: ZUE Victor マサチューセッツ工科大学, 計算機科学研究所, 教授 ; PALLETT Davi 米国国立標準, 技術局・計算システム研究所, 所長 ; POLS Louis アムステルダム大学, 音声学研究所, 教授 ; MARIANI Jose フランス計算機械研究所, 所長 ; MOOR Roger 英国王立信号研究所, 音声研究部, 部長 ; FOURCIN Adri ロンドン大学, 音声学部, 教授 ; 榑松 明 (株)ATR自動翻訳電話研究所, 社長 ; 杉藤 美代子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (10082455) ; 板橋 秀一 筑波大学, 電子情報工学系, 教授 (70151454) ; 桐谷 滋 東京大学, 医学部, 教授 (90010032) ; 白井 克彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063702)
• 研究期間 (年度): 1990 – 1991
• キーワード: 音声言語 / 音声データベース / 音声入力 / 音声出力 / 評価 / 統一 / 国際的協調 / 国際的協力

研究概要

本研究は、わが国と欧国諸国における、音声データベース及び音声入出力技術評価の分野の指導的研究者をもって組織され、世界各国における技術の現状の相互理解に立脚して、今後の国際的協力、協調、ひいては可能な限りの国際的統一を推進することを目的とするもので、平成2年・3年の両年度にわたる研究実績は下記の通りである。
1.海外における研究進捗状況の調査及び主要研究者との意見交換(主として研究代表者による)
(1)平成2年9月にスウェーデン王立工科大学、アムステルダム大学、フランス国立計算機械研究所、ロンドン大学、マサチューセッツ工科大学、米国国立標準・技術研究所、インディアナ大学等、代表的な研究機関に、すべての海外研究分担者を含むこの分野の主要研究者を訪問し、当該分野の研究の進捗状況を調査するとともに、国際的統一に向けての意見交換を行った。
(2)平成3年5月に再びマサチューセッツ工科大学を訪問し、特に分担者Zue氏のグループにおける米語対話音声データベースの構築に関し、詳細な調査を行った。また、トロント市で開催された1991年音響音声信号処理国際会議において、分担者Pallett氏等の主要研究者と国際的協調の具体的方策に関し討議した。
(3)平成4年3月に中国科学院音学研究所、中国社会科学院語言研究所、中国科学技術大学に、中国の代表的な研究所を訪問し、当該分野の研究進捗状況を調査するとともに、今後の国際的協調に関し、意見交換と助言を行った。
2.各国における研究の成果発表と討議
(1)平成2年11月18〜22日に研究代表者が議長として神戸で開催した1990年音声言語処理国際会議において、特に3セッションを設け、各国の研究成果に関する40件の研究発表を行い、関係研究者間の相互理解を深めるとともに、今後解決すべき問題点を明確化した。これらの成果の詳細は、上記国際会議の論文集に掲載されている。
(2)平成3年9月23〜26日にジェノア市で開催された1991年欧州音声通信・技術会議においても、本研究の分担者の大多数が参加し研究成果の発表・討議を行った。それらの詳細は、会議の論文集に掲載されている。
3.当該分野における国際的協力、協調、統一に関する討議
(1)平成2年11月23日午前に国際シンポジウム、同日午後と翌24日に国際ワークショップを開催し、本研究の分担者11名を含む主要研究者約40名により、音声データベース及び音声入出力評価の分野における国際的協力、協調、国際的統一のための問題点とアプローチ、今後の作業スケジュールを討議した。これらの成果の詳細は、シンポジウム及びワークショップの論文集に掲載されている。
(2)上記のワークショップにおける決議に従い、本研究の分担者らが主体となって平成3年9月27・28日に第2回のワークショップをジェノア市郊外で開催し、国際的協調、統一の具体的な方策とそれを実行すべき機構に関する討議を行った。
(3)平成4年3月に研究代表者がさらに主要研究分担者等と具体的な討議を行い、国際的機構の素案を作成した。
4.結 論
(1)音声データベース及び音声入出力技術の発展に伴い、それらの国際的統一の必要性は明白であるが、統一化の具体的な対象と方策を決定し、これを実行するには、恒久的な機構が必要となる。
(2)上記の機構を設立するために、以下の手順による。
(1)国際的諮問委員会(藤崎を含む7名)が各国の公的代表の選出ないし推薦にあたる。
(2)音声データベース、音声入力技術評価、音声出力技術評価のそれぞれに関して、各数名の委員からなる国際作業委員会を設け、国際的協調、統一の具体的な対象と方策を検討する。
(3)上記の機構作りと作業を平成4年度およびそれ以降も継続して行うことが必要である。

研究成果

• [文献書誌] FUJISAKI,Hiroya: "Towards ManーMachine Dialogue Through the Spoken Language ーApproaches and Efforts in Japanー" Proceedings of the Third Australian International Conference on Speech Science Technologh(Melbourne). 1. 617-624 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] ITAHASHI,Shuichi: "Recent Speech Database Projects in Japan" Proceedings of 1990 International Conference on Spoken Language Processing(Kobe). 2. 1081-1084 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] KUREMATSU,Akira: "ATR Japanese Speech Database as a Tool of Speech Recognition and Synthesis" Speech Communication. 9. 357-359 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] PALLETT,David: "Speech Corpora and Performance Assessment in the DARPA SLS Program" Proceedings of 1990 International Conference on Spoken Language Processing(Kobe). 2. 24.3 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] ZUE,Victor: "Recent Progress on the MIT Voyager Spoken Language System" Proceedings of 1990 International Conference on Spoken Language Processing(Kobe). 2. 1105-1108 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] POLS,Louis: "How Useful Are Speech Databases for Rule Synthesis Development and Assessment?" Proceeding of 1990 International Conference on Spoken Language Processing(Kobe). 2. 1289-1292 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] ITAHASHI,Shuichi: "Large Scale Japanese Dialect Speech Corpora" Proceedings of the Second European Conference on Speech Communication and Technology. 2. 513-516 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] ZUE,Victor: "The MIT ATIS System:Preliminary Development,Spontaneous Speech Data Collection,and Performance Evaluation" Proceedings of the Second European Conference on Speech Communication and Technology. 2. 537-540 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] FUJISAKI,Hiroya(Ed.): "Preprints of the International Symposium on International Coordination and Standardization of Speech Database and Assessment Techniques for Speech Input/Output" 1-63 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] FUJISAKI,Hiroya(Ed.): "Preprints of the International Symposium on International Coordination and Standardization of Speech Database and Assessment Techniques for Speech Input/Output" 1-88 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] FUJISAKI, Hiroya: "Towards Man-Machine Dialogue Through the Spoken Language - Approaches and Efforts in Japan -" Proceedings of the Third International Conference on Speech Science and Technology. 1. 617-624 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] ITAHASHI, Shuichi: "Recent Speech Database Projects in Japan" Proceedings of 1990 International Conference on Spoken Language Processing (Kobe). 2. 1081-1084 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] KUREMATSU, Akira: "ATR Japanese Speech Database as a Tool of Speech Recognition and Synthesis" Speech Communication. 9. 357-359 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] PALLETT, David: "Speech Corpora and Performance Assessment in the DARPA SLS Program" Proceedings of 1990 International Conference on Spoken Language Processing (Kobe). 2. 24.3 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] ZUE, Victor: "Recent Progress on the MIT Voyager Spoken Language System" Proceedings of 1990 International Conference on Spoken Language Processing (Kobe). 2. 1105-1108 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] POLS, Louis: "How Useful are Speech Databases for Rule Synthesis Development and Assessment?" Proceedings of 1990 International Conference of Spoken Language Processing (Kobe). 2. 1289-1292 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] ITAHASHI, Shuichi: "Large Scale Japanese Dialect Speech Corpora" Proceedings of the Second European Conference on Speech Communication and Technology. 2. 513-516 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] ZUE, Victor: "The MIT ATIS System ; Preliminary Development, Spontaneous Speech Data Collection, and Performance Evaluation" Proceedings of the Second European Conference on SPeech Communication and Technology. 2. 537-540 (1991)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] FUJISAKI, Hiroya (Ed.): Preprints of the International Symposium on International Coordination and Standardization of Speech Database and Assessment Techniques for Speech Input/Output, 1-63 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] FUJISAKI, Hiroya (Ed.): Preprints of the International Workshop on International Coordination and Standardization of Speech Database and Assessment Techniques for Speech Input/Output, 1-88 (1990)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より