研究課題
本研究は、サケ科魚類およびウナギの回遊に関与する内分泌系の作用機序に関し、分子レベルでの研究を進めているわが国の研究者とフランス国立農林水産研究所(INRA)の研究者間の共同研究および研究連絡を、より密にするために組織されたものである。本年度は、平成3年6月に平野が渡仏し、ナント市においてINRAが主催した「魚介類の成長現象」をめぐる日仏ワ-クショプに参加し、フランス側研究者とホルモンの標準品の制定に関する打ち合せを行った。会議終了後レンヌに赴き、INRAのPrunet博士、さらにレンヌ大学のValotaire教授らと今後の共同研究に関し打ち合せを行った。Prunet博士とValotaire教授は8月に来日し、主に東大・海洋研究所に滞在し、プロラクチンおよびステロイドホルモン受容体に関する共同研究および研究打ち合せを行った。また、Prunet博士と浦野教授は、8月下旬に東京都立大学において開催された、第3回国際生理生化学会議において、「魚類における分子内分必学」と題するシンポジウムを組織し、この分野の世界各国の研究者と非常に有益な情報交換を行った。さらに、菊山教授が3年11月に渡仏し、Fontaine研究室のde Luze博士らと甲状腺ホルモンと初期発生に関する情報交換を行った。平成3年7月より4年2月まで、パリ大学のFontaine教授の研究室より、Bruno Querat博士が海洋研究所の浦野研究室に滞在し、in situ hybridization法を用いウナギの生殖腺刺激ホルモン産生細胞の同定を行った。平野は、Prunet博士および、やはりINRAのLe Bail博士らと成長ホルモンとプロラクチンの作用機序に関する研究を進めており、特に成長ホルモン受容体に関する研究が大いに進展している。
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