研究課題/領域番号 |
02044057
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山本 格 新潟大学, 医学部, 助教授 (30092737)
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研究分担者 |
WILSON Curti Institute of Scripps Clinic.Dept. Immuno, Member
BLANTS Rolan University of California, Dept.Medicine, 教授
木原 達 新潟大学, 医学部, 教授 (80018324)
広瀬 茂久 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (10134199)
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キーワード | 腎糸球体 / 限外濾過 / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 糸球体上皮細胞 / 形態計測法 / マイクロパンクチャ-法 / mRNA |
研究概要 |
糸球体内で糸球体限外濾過係数を変化させ限外濾過量を調節している細胞を同定するために次の2方向から検討した。 1) 糸球体限外濾過値を増加させる心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)の受容体の糸球体内局在: ANPは糸球体限外濾過係数を増加させ濾過を促進するホルモンである。糸球体内でその受容体を持つ細胞は限外濾過係数を調節していると考えられる。現在までに、ANP受容体はA,B,Cの異なる3種類のサブタイプが存在することが分子生物学的手法で示された。私どもは牛肺よりANPアフィニティ-カラムでANPーC受容体を分離、精製し、この受容体に対する抗体を作製し免疫組織学的に腎内局在を検索した。その結果、ANPーC受容体は糸球体に最も豊富に、そのほかには動脈壁や髄質内層集合尿細管に存在した。さらに糸球体内では糸球体上皮細胞に局在することが免疫電顕で、糸球体のANPーC受容体の分子量は約70Kdでその量は血液中のANP量と逆相関することが示された。さらに、ANPーC受容体のDNAクロ-ニングを行い、得られたDNAをプロ-ブに用いたin situ hybridization法では糸球体、肺共にmRNA発現細胞の頻度は少なく、この受容体の蛋白レベルのリサイクルが示唆された。 2) 選択的に糸球体細胞を傷害するモデルを用いた糸球体限外濾過調節細胞の同定: ラット糸球体上皮細胞に特異的に結合し細胞傷害を起こすモノクロ-ナル抗体をラットに投与してマイクロパンクチャ-法で濾過機能を調べた結果、抗体投与2時間で限外濾過係数が低下し、24時間では増加していた。このことは糸球体上皮細胞が限外濾過係数の調節に機能していることを強く示唆している。現在、その変化をもたらす構造変化を超微形態計測法で検討している。
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