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1990 年度 実績報告書

精子活性化ペプチドの作用機構(Mode of Action of SpermーActivating Peptide)

研究課題

研究課題/領域番号 02044059
研究機関金沢大学

研究代表者

鈴木 範男  金沢大学, 理学部, 教授 (20082133)

研究分担者 GARBERS Davi  テキサス大学, サウスウエスタンメデイカルセンター, 教授(主任研究員)
キーワード精子 / 精子活性化ペプチド / グアニレ-トシクラ-ゼ / 脱リン酸化 / プロティンホスファタ-ゼ / 先体反応
研究概要

Arbacia punctulata精子をpH6.6および8.2の人工海水中で放射性無機リン酸( ^<32>P)とインキュベ-ションするとグアニレ-トシクラ-ゼ以外のタンパク質も標識されるが,精子活性化ペプチド(SAPIIA)の添加によって脱リン酸化されるタンパク質はグアニレ-トシクラ-ゼのみであった。0.1MNaF(pH5.6)存在下で精子細胞膜を調製すると,リン酸化型グアニレ-トシクラ-ゼが膜中に保持されているが,この膜標品にSAPIIAを添加するとグアニレ-トシクラ-ゼは作動を始める。しかし,精子にSAPIIAを添加した時のように活性の低下はおこらなかった。これは分離した膜標品中のプロティンホスファタ-ゼがNaFによって阻害されているために,グアニレ-トシクラ-ゼが脱リン酸化型(不活性型)に転換しないことによるものと考えられる。現在,0.1MNaF存在下で調製した細胞膜中にプロティンホスファタ-ゼが存在するかどうかを検討中である。
一方,バフンウニ精子を100mMK^+を含む人工海水(100mMK^+ーASW)中で精子活性化ペプチド(SAPーI)を作用させると精子細胞内cGMP濃度が著しく増加することをみいだした。SAPーIは100mMK^+ーASW中でもバフンウニ精子膜上の71KDaおよび63KDaタンパク質に正常海水中と同様に結合することから,100mMK^+ーASW中ではグアニレ-トシクラ-ゼ活性が正常海水中とは異なることが予想される。100mMK^+ーASW中ではSAPーI添加後も精子のグアニレ-トシクラ-ゼは活性型(リン酸化型)として存在していた。これは100mMK^+ーASW中ではプロティンホスファタ-ゼ活性が阻害されていることを意味しており,SAPの作用機構の中にK^+チャンネルの関与を考える必要があるものと思われ,現在検討中である。
SAPーIは先体反応誘起に特異的補助因子として作用するが,K^+チャンネルの阻害剤(TEA)存在下ではSAPーI単独でも先体反応誘起能を示す結果も得ており,現在TEA存在下でSAPーIを作用させた時の細胞内Ca^<2+>,pH^iの変化の有無を測定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] N.Suzuki: "Structure and function of sea urchin eqq jelly molecules" Zool.Sci.7. 355-370 (1990)

  • [文献書誌] M.Mita,N.Ueta,T.Harumi and N.Suzuki: "The influence of an eggーassociated peptide on eneray metabolism in sea urchin spermatozoa: The peptide stimulates preferential hydrolysis of phosphatidylcholine and oxidation of fatty acid" Biochim.Biophys.Acta. 1035. 175-181 (1990)

  • [文献書誌] T.Takao,K.Yoshino,N.Suzuki and Y.Shimonishi: "Analysis of postーtranslational modification of proteins by accurate mass measurement in fast atom bomberdment mass spectrometry" Biomed.Environ.Mass Spectrom.19. 705-712 (1990)

  • [文献書誌] K.Yoshino,T.Takao,M.Yamaguchi,Y.Shimonishi and N.Suzuki: "Derivatives of spermーactivating peptide III (SAPーIII) associated with eggs of sand dollars, Clypeaster japonicus and Astriclypeus manni" Comp.Biochem.Physiol.97B. 679-685 (1990)

  • [文献書誌] R.Harumi,M.Yamaguchi,and N.Suzuki: "Peceptors for spermーactivating peptides,SAPーI and SAPーIIB,on spermatozoa of sea urchins,Hemicentrotus pulcherrimus and Glyptocidaris crenularis" Develop.Growth and Differ.33. 171-176 (1991)

  • [文献書誌] K.Yoshino,T.Takano,H.Hori,M.Suhara,T.Kitai,K.Nomura et al: "Primary structures of bromophenylalanineーcontaining spermーactivating peptides." Peptide Chemistry 1990. 171-176 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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