研究課題/領域番号 |
02044060
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山本 巖 信州大学, 繊維学部, 教授 (60021169)
|
研究分担者 |
SIMON Jacges ESPCI大学, 教授
藤本 哲也 信州大学, 繊維学部, 教務員 (90209099)
太田 和親 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70160497)
|
キーワード | ディスコティック液晶 / 有機金属錯体 / πーアクセプタ- / πードナ- / フタロシアニン / ピラジノポルフィラジン |
研究概要 |
本研究は従来知られている液晶物質とは全く異なる分子構造を持つ新規の有機遷移金属錯体のディスコティック液晶を合成し、分子素子及び室温超伝導体への道を開くことを目的としており、本年度はπードナ-性ディスコティック液晶であるフタロシアニン系化合物とπーアクセプタ-性であると期待できるテトラピラジノポルフィラジン系化合物の合成とその物性について検討した。また相手国側とサンプルの交換、実験結果の討論、考察及び共同実験等を行い、本研究を円滑に進めるため、代表者である山本が2度、分担者の太田が1度相手国を訪問し共同研究の実を挙げた。 フタロシアニン系化合物としては、コアの周辺に8本のnーアルコキシフェニル基を付与したフタロシアニンメタルフリ-体(図1)と、その銅(II)錯体(図2)の合成と液晶性を検討した。その結果メタルフリ-体では、ディスコティックヘキサゴナルカラムナ-を持ち、また銅錯体ではディスコティックレクタンギュラ-カラムナ-相を示すことを見いだした。 一方、テトラピラジノポルフィラジン系化合物としては、周辺に8本のドデシル基を付与したテトラピラジノポルフィラジンーNーオキサイド(図3)を合成した。本化合物はレクタンギュラ-カラムナ-相を示すと共にかなり良いπーアクセプタ-性を示すことを見いだした。なおこれらの結果については一部はLiq. Cryst.で印刷中であり、また一部は、同誌に投稿中である。 次年度は、これらの液晶化合物の電荷移動錯体の形成について検討すると同時により良いπドナ-、πーアクセプタ-性化合物の合成についても検討する。しかし、相手国(フランス)側の進捗状況が若干遅れているので、次年度は本年度よりも多く渡仏し共同研究を成功させたい。
|