研究分担者 |
LUISA L.Apor ダバオ医科大学, 助教授
BENEDICTO P. サントトマス大学, 医学部, 教授
WARLITO C.Vi ダバオ医科大学, 助教授
TITO P.Torra サントトマス大学, 医学部, 教授
VIRGINIA F.D サントトマス大学, 理学部, 教授
CARMEN G.Kan サントトマス大学, 理学部, 教授
関 邦博 神奈川大学, 理学部, 助教授
野本 享資 (財)サントリー生物有機科学研究所, 主任研究員 (60142080)
間野 忠明 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30023659)
森 昭胤 岡山大学, 医学部, 教授 (20028434)
出浦 滋之 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (40021448)
磯野 日出夫 岐阜大学, 医学部, 教授 (50021358)
山本 典子 岐阜大学, 医学部, 助教授 (70021409)
TORRALBA Tito P. Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine and Surgery, University of
DAYAO Virginia F. Department of Biological Sciences, College of Science, University of Santo Tomas
KANAPI Carmen G. Department of Biological Sciences, College of Science, University of Santo Tomas
VICENTE Warlito C. Department of Surgery, Davao Medical School Foundation, Davao, Philippines.
APORTADERA Luisa L. Department of Internal Medicine, Davao Medical School Foundation, Davao, Philipp
RIVERA Benedicto P. Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine and Surgery, University of
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研究概要 |
1990年,1991年の両年度を通じて,私どもはこの国際学術研究(共同研究)により,先ずアフリカマイマイ(Achatina fulica Ferussac)の神経節より,Dーphenylalanineを含むtetrapeptide(GlyーDーPheーLーAlaーLーAsp)を分離・同定し,achatinーIと名付けた.さらにこのペプタイドの薬理学的性質について,かなり詳細に検討した.しかしながらachatinーI以外の神経作用性ペプタイドの分離・同定については,現在進行中であるが,まだその構造を確定していない.以下に上記両年度において得られた研究結果の主なものを,年度別に列挙する. (1990年度) 1.AchatinーIのアミノ酸組成が,Gly,Phe,Lys,Aspであり,その配列がGlyーPheーLysーAspであることは,比較的容易に解析されたが,GlyーLーPheーLーLysーLーAspには,期待された興奮作用が見られず,GlyーLーPheーLーLysーAsp.amide,GlyーLーPheーLーLysーLーAsn,GlyーLーPheーLーLysーLーAsn.amideにも,この作用はなかった.しかしこの物質の機器分析(核磁気共鳴,質量分析,円二色性スペクトルなど)より,これのphenylalanine残基がD型ではないかと考えられ,GlyーDーPheーLーLysーLーAspを合成して,天然のものと比較したところ,総ての機器分析およびbioassayの結果が一致し,achatinーIの構造は,上記のものと結論された. 2.AchatinーIの用量・作用曲線が求められた.Achatina神経細胞PON(periodically oscillating neurone)によって得られた結果を記せば,ED_<50>:2.0x10^<ー6> M(95%confidence limit:1.4ー2.6x10^<ー6> M),Hill coefficient:0.62,E_<max>:5.46±0.22nA(n=8)であった.このED_<50>値より,この物質はこれを神経伝達物質と考えるのに,充分な強い作用を有する.一方このペプタイドの興奮作用は,神経膜のNa+に対する透過性の上昇によるものであった. 3.AchatinーIの立体異性体8種のなかで,強い作用を呈するものはa
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chatinーIのみであり,これのレセプタ-はachatinーI識別のために,かなり明瞭な立体特異性を持つと結論された. 4.竹内,山本,出浦,森,間野,関は,サントトマス大学(マニラ市)を訪れ,共同研究について討論するとともに,おのおの数回にわたって講演を行い,相互の友好を深めた.Kanapi,Dayao,Torralbaは,岐阜大学(岐阜市),(財)サントリ-生有研(大阪府),神奈川大学(平塚市)を訪問し,共同研究について討論したTorralbaは岐阜大学(岐阜市)で講演した. (1991年度) 5.AchatinーIおのおののアミノ酸残基を他のもので置換した,achatinーI誘導体を20種あまりを合成しAchatina巨大神経細胞に対するその作用を検定したが,いずれの誘導体もほとんど作用を示さなかった.すなわちachatinーIの作用は,高い構造特異性を持つ.このペプタイドが作用を示すために,Nー端のアミノ基,Cー端の2つのカルボキシル基は必須であり,またachatinーI分子内におけるこれらの間の距離が重要であった. 6.既知のblockerのachatinーIに対する作用を検討した.検定された物質は,acetylcholine blocker(atropine,dーtubocuratine),GABA blocker(bicuculline,pitrazepin),glutamate blocker,dopamine blocker,αーadrenalin βーadrenalin blocker,serotonin blocker,histamine blockerであった.しかしこれらのantagonistは,achatinーIに作用を示さなかった. 7.アフリカマイマイ神経節より,achatinーIの他に1つの神経作用性(神経抑制性)ペプタイドを分離されたが,これは多分APGWーamideであると思われた.しかしこれについては,さらに検討が必要である.フィリピン,ダバオ市で採取された淡水産カタツムリ(Pila luzonica)の神経節は極めて小さく,これは神経作用性ペプタイドを分離するために,適当な材料ではなかった. 8.竹内はサントトマス大学とダバオ医科大学(ダバオ市)を,出浦と森はサントトマス大学を訪問した.共同研究について討論するとともに,先方の大学で3名とも数回にわたり講演した.Riveraは岐阜大学,藤田学園保健衛生大学(豊明市),(財)サントリ-生有研を訪れた.共同研究について討論するとともに,岐阜大学医学部で講演した。 隠す
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