1991 年度実績報告書

日本と南米太平洋側の新第三紀イベント:その年代と性格

研究課題

研究課題/領域番号	02044062
研究機関	静岡大学
研究代表者	土隆一静岡大学, 理学部, 教授 (60021929)
研究分担者	ALDANA M. ペルー地質調査所, 主任研究員 VILLAVICENCI ペルー地質調査所, 古生物学研究室, 室長 MARTINEZ R. チリ大学, 理学部, 教授茨木雅子静岡大学, 理学部, 助手 (30109128) 小泉格北海道大学, 理学部, 教授 (20029721)
キーワード	熱帯海洋気候 / 珪藻土 / エル・ニ-ニョ / 16Ma / イベント / ペル-沖 / 大型有孔虫 / カマナ層
研究概要	本年度は昨年度のペル-およびチリにおける現地での共同研究にひきつづき、両国の研究分担者を静岡へ招聘した。たまたま、以前から計画されていたことではあるが、本研究代表者が主催して第5回太平洋地域新第三系・IGCPー246国際会議の静岡開催は、同国際会議出席および研究成果の国際的公開にもつながるよい機会であったため、その時期を中心に招聘し、研究打ち合せをおこなった。上記国際会議では我々全員が論文を発表したが、とりわけ、南米太平洋側と日本において16Maにおける熱帯海洋気候イベントの時期が全く一致し、南米では当時ペル-南部まで熱帯性大型有孔虫が分布を拡げたこと、そして浮遊性有孔虫によってペル-南部のカマナ層の年代が16Maであることが確認されたことは新事実として大きな成果となった。本層はこれまで古第三紀のものではないかとされてきたが我々の共同研究によってはじめて新第三紀中期の、しかも南米の熱帯海洋気候を代表するものの1つであることがわかってきた。もう1つは、南米太平洋側新第三系に卓越する珪藻土層の問題で、これはエル・ニ-ニョイベントともからむものであるが、我々の陸上の地質調査とODPによる海底調査とをあわせて、その堆積の始まりは初期中新世の17Maであり、16Maの中断があった後、15Ma以降現在までペル-沖で引き続くことが明らかとなった。この新第三紀中期以降連続して堆積する珪藻土層にはさまれる周期的な石灰質をより多く含む堆積物が過去のエル・ニ-ニョであろうと推定しているが、その周期と様相の解明は今後の課題である。

研究成果

(7件)

すべてその他

すべて文献書誌 (7件)

[文献書誌] 土隆一: "太平洋の向こう側では新第三紀に何が起こったか" 学術月報. 44. 52-58 (1991)
[文献書誌] Tsuchi,R.: "Pacific Neogene elimatic optimum and accelerated biotic evolution in time and space" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 117-118 (1991)
[文献書誌] Koizumi,I.: "Diatomaceous sediments along the Pacific areas of South America and their evolution" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 69-69 (1991)
[文献書誌] Ibaraki,M.: "Coastal upwelling off Peru:its initial stage and planktonic foraminifera" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 47-48 (1991)
[文献書誌] Martinez-P.,R.: "About the age of the Caleta Herradura diatomite,Mejillones Peninsula,Antofagasta,Chile" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 76-77 (1991)
[文献書誌] Villavicencio,R.E.: "Relationship of Neogene diatoms and foraminifera to paleoceanographic events in the Pisco Basin,Peru" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 120-120 (1991)
[文献書誌] Aldana,M.A.: "Miocene paleoecology in northwestern Peru" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 4-4 (1991)

1991 年度 実績報告書

日本と南米太平洋側の新第三紀イベント:その年代と性格

研究代表者

土 隆一 静岡大学, 理学部, 教授 (60021929)

研究成果

[文献書誌] 土 隆一: "太平洋の向こう側では新第三紀に何が起こったか" 学術月報. 44. 52-58 (1991)

[文献書誌] Tsuchi,R.: "Pacific Neogene elimatic optimum and accelerated biotic evolution in time and space" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 117-118 (1991)

[文献書誌] Koizumi,I.: "Diatomaceous sediments along the Pacific areas of South America and their evolution" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 69-69 (1991)

[文献書誌] Ibaraki,M.: "Coastal upwelling off Peru:its initial stage and planktonic foraminifera" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 47-48 (1991)

[文献書誌] Martinez-P.,R.: "About the age of the Caleta Herradura diatomite,Mejillones Peninsula,Antofagasta,Chile" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 76-77 (1991)

[文献書誌] Villavicencio,R.E.: "Relationship of Neogene diatoms and foraminifera to paleoceanographic events in the Pisco Basin,Peru" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 120-120 (1991)

[文献書誌] Aldana,M.A.: "Miocene paleoecology in northwestern Peru" Abst.Vol.V-CPNS-IGCP246 Congress,Shizuoka,Japan,Oct.6-10,1991. 4-4 (1991)

1991 年度実績報告書

土隆一静岡大学, 理学部, 教授 (60021929)

[文献書誌] 土隆一: "太平洋の向こう側では新第三紀に何が起こったか" 学術月報. 44. 52-58 (1991)