研究課題/領域番号 |
02044082
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本庶 佑 京都大学, 遺伝子実験施設, 教授 (80090504)
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研究分担者 |
松田 文彦 京都大学, 遺伝子実験施設, 助手 (50212220)
清水 章 京都大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (00162694)
エバ セベリンソン ストックホルム大学, 准教授
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キーワード | 抗体遺伝子 / クラススイッチ / 遺伝子組換え / germline転写物 / インタ-ロイキン4 |
研究概要 |
ヒト膜型μ鎖トランスジェニックマウスに於いて、内在性(マウス)の抗体H鎖遺伝子の組換えならびに発現が完全に排除されているにもかかわらず、LPSとILー4により刺激・培養されたひ臓細胞の2〜8%がヒトIgMとマウスIgGの二重アイソタイプを同時発現しうること、またこのひ臓細胞集団中にトランスジ-ン可変部と内在性(マウス)定常部が結合したmRNA(トランスmRNA)を発現するものが存在することを発見した。この実験結果は、このトランスジェニックマウスにおいては異なった染色体間におけるクラススイッチ組換えもしくはトランススプライシングが起きていることを示している。次に、この二重アイソタイプ産生細胞を二色蛍光抗体による同時染色によって検出し、セルソ-タ-によって分取した。またこのマウスとcーmyc遺伝子を導入したトランスジェニックマウスとの交配によって生まれた子孫に生じたリンパ腫(12種)を収集した。これらから、DNA及びRNAを抽由し、RNAの中のトランスmRNA発現をPCR法、RNase protection法によって検討したところ、分取した二重アイソタイプ産生細胞ならびにproーB細胞リンパ腫のひとつにおいてヒト導入遺伝子と同時にトランスmRNAの発現が確認された。さらにこれらの細胞のDNAのサザンブロット法による解析の結果、このトランスmRNAの発現は遺伝子の組換えを伴っていないことが判明した。以上の結果は、トランスmRNAが遺伝子の組換えなしに発現していることを示しており、トランススプライシングによって抗体の多重アイソタイプ同時発現が起こっているとの仮説にほぼ証明が与えられた。 また、研究分担者のEva Severinson博士等は、スゥエ-デン国カロリンスカ研究所にて上に述べたトランススプライシングと密接に関連するgermline転写物の発現の分子機構を明らかにするために、インタ-ロイキン4で刺激されたマウスひ臓細胞に由来する発現型cDNAライブラリ-を作製し、このライブラリ-よりgermline型転写物産生を調節する因子の遺伝子単離を試みている。 さらに、免疫グロブリンのクラススイッチに関与する分子のうち、各C領域遺伝子の上流に存在するS領域に特異的にbindし組換えを引き起こす蛋白質(SーSリコンビナ-ゼ)の遺伝子の単離を、LPS+ILー4でIgMからIgGlへのクラススイッチを誘導したBalb/Cのひ臓細胞から作製したλgt11発現cDNAライブラリ-よりSouthーWestern法を用いたスクリ-ニングによって試みている。
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