研究課題
1990年8月17日〜26日の予備調査により調査工場を西安市およびその近郊に所在する諸工場に決定したのち、9月10日〜17日の間に本調査を行った。調査対象工場は計6工場で、各工場ごとに有機溶剤曝露群と非曝露対照群とも設定した。有機溶剤曝露群については作業開始時より同終了時までの約8時間拡散型サンプラ-を胸元に装着して呼吸帯空気中溶剤測定を行った。また曝露群・非曝露群の全員について作業終了時尿を採取し、その翌日又は前日に採血(血液学的検査および血清生化学的検査用)、臨床診断(ことに継足歩行およびアキレス腱反射)、問診票による自覚症状調査を行った。被検者総数は499名であるが、そのうち一部の検査について欠測値のある者(例えば採血拒否による当該項目の欠測)があり、検診の全項目について所見のある有効症例数は曝露者群346名、対照者群145名、計491名であった。但しこれらの症例以外に前年度に若干数のキシレン曝露者を見出しており、また対照者群につていは前年度のトルエン調査時に得た対照者の成績を一部活用することも可能と考えいてる。従って現時点での有効症例数には相当数の増加が見込まれる。現在全所見のコンピュ-タ入力を一応終了した。次いで曝露を受けた対象溶剤をカピラリ-ガスクロマトにより各曝露者ごとに解析し、本来の目的溶剤であるキシレン3異性体とそれ以外の溶殿(例えばトルエンやエチルベンゼルなど)の量的な比率を確立する作業を進めている。