研究課題/領域番号 |
02044086
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小澤 和恵 京都大学, 医学部, 教授 (00026858)
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研究分担者 |
ピッケルマイヤー ルドル ハノーファー大学, 医学部, 教授
森 敬一郎 京都大学, 医学部, 助手 (80159186)
嶌原 康行 京都大学, 医学部, 助手 (30196498)
田中 紘一 京都大学, 医学部, 講師 (20115877)
山岡 義生 京都大学, 医学部, 講師 (90089102)
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キーワード | 肝移植 / 肝グラフトのViability / 血中ケトン体比(AKBR) |
研究概要 |
平成2年度研究助成金により以下の成果をおさめた。 1.肝移植後血中ケトン体比(AKBR)測定の意義:ハノファ-医科大学で行われた肝移植術後、経時的にAKBRを測定した結果24〜48時間以内にAKBRが1.0以上に上昇する場合、グラフトは生着しIcu滞在期間も短く回復する。AKBRが48時間たっても0.7以下の症例は、guraft failureのために再移植を受けるか死亡した。再移植が成功した症例は再移植後AKBRの回復がみられたが、再度guraft failureになった症例ではAKBRの回復がみられなかった。移植後48時間までに0.7〜1.0のAKBRの値をとった症例は88%がIcu滞在期間が延長し、種々の合併症を併発した。この事から、移植後AKBRの経時的測定は移植グラフトのViabilityの判定に有用であることが判明した。 2.移植グラフト採集時Viabilityの判定:本年度助成金でハノ-ファ-医科大学に派遣した研究員がドナ-病院にチ-ムと共に行動し、グラフト採取前に動脈血を採血AKBRを測定した。前期では経験ある外科医の判断で採取可能と判断されたグラフトをもつ脳死者のAKBRは全例0.7以上を示し、経験による判断の確かさをうかがわせた。後期に入り、緊急移植を要する症例で移植後gulaft failureに陥つた4例のグラフト採取時のAKBRは0.7以下を示した。0.7未満を示した群と0.7以上を示した群の間にはそのグラフトの生着率で有意差を得た。以上の事から、肝グラフト採取特の脳死者のAKBRは安全域をみこんで1.0以上であることが望ましいとの考えである。
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