研究課題
研究代表者は、抗腫瘍性サイトカインの細胞障害機序の詳細がほとんど不明である現状を踏まえ、その点を明らかにするため、関連する研究事項をも含め、カリフォルニア大学医学部 Dr.Papahadjopoulosのグル-プとの共同研究を通じて次の点を明らかにした。まず、抗腫瘍性サイトカインの膜損傷作用と細胞障害作用との関連性及びそれに対する膜脂質ホスファチジルセリンの役割に関する研究成果、加えて従来の共同研究課題・蛋白質による膜融合誘起機構に関する研究成果について、同グル-プに討論を仰ぎ、それを参考に論文として公表した。次に、顕微蛍光法に基づく、リポソ-ムの細胞内導入による物質の細胞内挙動追跡法を、培養腫瘍細胞及びマクロファ-ジに導入、リポソ-ムの細胞内取り込みの判定システム及び速度論的解析システムを確立した。その過程において、蛍光プロ-ブ封入リポソ-ムが細胞内に取り込まれた後の挙動及びその時間的関係、またpH変化過程に関する新たな知見が得られた。さらに、(1)リポソ-ムシステムを用いた抗腫瘍性サイトカイン細胞障害機序解析全般に関する研究打ち合せ及び方針の決定、(2)抗腫瘍性サイトカインの腫瘍細胞内挙動と腫瘍細胞障害作用測定の画一化のための研究打ち合せ及び実験条暖の設定、(3)蛍光プロ-ブ系入リポソ-ム及びサイトカイン封入リポソ-ム調製法並びに蛍光プロ-ブでラベルした抗腫瘍性サイトカインの調製法の検討及び習得、等をカリフォルニア大学にて行った。そして、一部リポソ-ム封入サイトカインのマクロファ-ジ活性化及び腫瘍細胞障害性を検討した結果、その有効性が明らかとなった。
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