研究課題/領域番号 |
02044117
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
森野 能昌 熊本大学, 医学部, 教授 (30028352)
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研究分担者 |
ARNONE A. アイオワ大学, 生化学, 教授
METZLER D.E. アイオワ州立大学, 生化学, 教授
林 秀行 大阪医科大学, 講師 (00183913)
倉光 成記 大阪医科大学, 助教授 (60153368)
棚瀬 純男 熊本大学, 医学部, 講師 (20112401)
鏡山 博行 大阪医科大学, 教授 (80028555)
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キーワード | アミノ基転移酵素 / アスパラギン酸 / X線結晶解析 / 遺伝子工学 / アミノ酸残基置換 / 触媒機能 / 酵素構造 / ビタミンB6 |
研究概要 |
われわれはAspATに数十種類の変異を導入し、その改変された酵素機能を酵素化学的、蛋白化学的に解析してきた。しかし、変異の導入に伴って起こると推定される極微細な構造変化を直接とらえる手段は、従来の蛋白化学的方法では適用限界がある、X線結晶解析に頼らざるを得ない。一方、X線結晶解析では、酵素構造の動的変化を経時的に観察することは不可能で、主として基質およびアナログとの反応動力学的解析により得られる情報が、デ-タの解釈に不可欠となっている。われわれが提供する変異酵素の結晶構造情報を得ることにより、初めて、人為的な残基置換によって起こる変化を構造と機能の両面からとらえることが可能となる。平成2年度、機能面、構造面、それぞれの研究結果を互いに検討することにより、AspATの触媒機能と構造との相関関係を今後の共同研究で明確にするに十分の手がかりを得ることができた。森野、棚瀬は野生型ブタ細胞質型AspATを大腸菌菌体内で大量生産し、米国研究者グル-プに郵送し野生型酵素のX線による結晶解析を行った。そのX線デ-タとブタ心筋から精製した酵素のそれとの比較により、2つの酵素が同一の構造を持つことが判明したことから、今後作成する変異酵素の解析が酵素機能と構造の相関の検討に有効であるとの確証を得た。また様々なアミノ酸置換を導入した変異酵素を持参して渡米し結晶化を行った。鏡山、倉光、林らは大腸菌AspATについて、活性中心部位に存在し基質結合と基質特異性の発現に関与するアミノ酸残基に変異を導入し機能を調べた。基質結合と基質特異性の発現に関与するアミノ酸残基、個々の役割について変異酵素での実験結果をもとに、招へいしたKirschと討論を行い、以後の変異酵素の設計について有益な情報を得た。
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