研究課題/領域番号 |
02044126
|
研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
吉川 信也 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40068119)
|
研究分担者 |
CAUGHEY Wins コロラド州立大, 生化学科, 教授
POYTON Rober コロラド大学, 分子生物学科, 教授
月原 冨武 徳島大学, 工学部, 教授 (00032277)
|
キーワード | チトクロム酸化酵素 / 膜タンパク質 / ミトコンドリア呼吸鎖 / 結晶化 / X線結晶解析 / 赤外吸収 |
研究概要 |
ウシ心筋チトクロム酸化酵素の結晶化条件をさらに検討するため、温度の効果を調べた。20℃ではBrijー35やBL854を含む酵素は4℃以下で得られる結晶に比べて良質のものは種々の検討にもかかわらず、得られなかった。しかし、ドデシルシュ-クロ-スを含む酵素は20℃でもかなり良質で10Å程度の分解能を示す結晶が得られた。何故か、プラスチック(PMP)容器の中でしかこの結晶は析出しなかった。したがって結晶化には容器の材質も重要な要因となっていることを示している。現在、この標品を無動力化で結晶化する実験を行っている。 コウボチトクロム酸化酵素を大量に、しかも結晶化を考慮してカラムクロマトグラフィ-を使わずに精製する条件の確立に相当に努力したが、また再現性が不十分であるので、今年はさらに検討を加えたい。一方、細菌(パラコッカス)の酵素の精製条件を検討し、これまでに得られていなかった単分散の界面活性剤(ドデシルマルトシド)を含む標品の単離にはじめて成功した。この標品は多分従来の多分散の界面活性剤であるTriton X100を含む酵素より結晶化に適しているものと予想される。 CO化型単結晶の赤外異外性の測定のために、結晶の軸立の方法をCO化型ヘモグロビン結晶を用いて検討を開始した。まずガラスキャピラリ-に結晶を置き、X線回折によって方位を決定し、顕微分光によって可視吸収の異方性を精密に決定する。次にCaF_2あるいはサファイヤのキャピラリ-に置いた結晶の可視吸収異方性を基準として方位を決定し、赤外異方性を測定する。CaF_2は赤外にも可視にも透明であるが割れやすいため、キャピラリ-を完全に研磨することが不可能である。一方、サファイヤは完全には赤外に透明ではない。現在このような問題点について検討している。
|