研究分担者 |
JELLUM E. オスロー大学, 医学部(ノールウエイ), 教授
HUTZINGER O. バイロイト大学, 環境科学部(ドイツ), 教授
NAIKWADI K.P ウォータールー大学, 化学部(カナダ), 博士研究員
ONUSKA F. カナダ国立水圏研究所, 研究部長
KARASEK F.W. ウォータールー大学, 化学部(カナダ), 名誉教授
根岸 秀幸 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60121026)
倉田 茂昭 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20104333)
藤原 努 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (50084778)
|
研究概要 |
ダイオキシンおよび関連化合物の解析法の開発に関しては、新しく合成したメソ-ゲンを架橋して吊り下げたポリシロキサンを骨格とする液晶を多数、合成し、そのうちの3種を選んでカラム充填剤とする高性能ガスクロマトグラフィ-を開発した。この方法を用いて、フロ-レンからペリレンに至る14種の多環芳香族化合物を分離した。この液晶カラムの分離性能は極めて高い選択性を示し、従来のカラムでは分離できなかったフェナントレン、アントラセン、トリフェニレン、クリセン、ベンゾピレンなどの異性体がよく分離され、これらの液晶カラムを用いる高性能ガスクロマトグラフィ-によるダイオキシンおよび関連化合物の異性体の分離分析法が確立された。 この方法を用いる液晶カラム高性能ガスクロマトグラフィ-に高分解能質量分析計を連結した分析システムによりダイオキシンおよび関連化合物の異性体の分析を行った。その結果、従来は分離できなかった2,3,7,8ー四塩化物、1,2,3,7,8ー五塩化物、および1,2,3,7,8,9ー六塩化物のジベンゾパラダイオキシンを分離することができた。現在、129種のダイオキシンおよび関連化合物の分離分析が成功している。 ダイオキシンおよび関連化合物の国際共同観測に関しては、従来行ってきたカナダ、フランス、ノ-ルウェイに加えて、中国を加えて行い、中国の石炭液化ガス工場および石炭を燃料とする蒸気機関から排出される烟煙と飛沫灰の中には4,5,6塩化物が少なく、7および8塩化物が30〜562pg/g含まれることが見出された。 これらの成果は1991年9月、国際分析科学会議および10月日本分析化学会年会において発表した。
|