研究課題/領域番号 |
02044166
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
青木 康展 国立環境研究所, 環境健康部, 主任研究員 (20159297)
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研究分担者 |
SILBERGELD E Univ. of Maryland(U. S., School of Medicine
FOWLER Bruce Univ. of Maryland(U. S., School of Medicine
GOYER Robert Univ. Western Ontario(C, Dept. of Pathology
CHERIAN M.Ge Univ. Western Ontario(C, Dept. of Pathology
鈴木 和夫 千葉大学薬学部, 教授 (90109918)
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キーワード | イットリウム / ランタン / アルシン / ヒ素 / 超電導体 / 半導体 / 肺 / 気管内投与 |
研究概要 |
1.超電導体に用いられる金属であるイットリウム(Y)とランタン(La)の経気道投与の影響を鈴木が中心となって調べた。(1)塩化イットリウムをラットに気管内投与し、肺組織と肺胞内洗浄液(BALF)の間のイットリウムの濃度と時間に依存した変化と、肺の炎症反応を調べた。Yの肺からの消失は非常に遅く、半減期は168日であった。透過型電子顕微鏡とX線マイクロ分析の結果よりYは肺胞と細胞間組織のマクロファ-ジのリソゾ-ムと基底膜に局在していることが示唆された。BALF上清のβーグルクロニダ-ゼ(βーGlu)活性とカルシウムとリンの含量は最低投与量(10μg/rat)でも増加した。BALF上清の乳酸脱水素酵素(LDH)の量ー作用関係の比較から、1モルの塩化イットリウムの急性の肺への毒性は、約3分の1モルのカドミウム化合物や3モルの酸化亜鉛と同等であることが明らかになった。(2)塩化ランタンを同様にラットに経気道投与すると、肺全体に保持されているLa含量は、用量の増加にともない直線的に上昇した。肺ホモジネ-ト中のLa含量は100μg/rat群から急増し、BALF上清と沈澱中のLa含量は100μg/rat群から減少し、投与したLa量が50μg/ratを越えると肺におけるLa保持の形態に変化が起きるように思われた。同時にLaの肺における半減期は244日と算定された。BALF上清のβーGlu活性、LDH活性、及びカルシウムの含量は1μg/rat投与群から、リンの含量は0,5μg/rat投与群から増加した。これらの結果から、1μg/ratの用量で肺障害が惹起されることが判明した。2.半導体の原料となるアルシンガス(AsH_3)の毒性はFowlerが中心となって調べた。昨年、アルシンガスは貧血状態を引き起こすことを明らかにしたが、2,5ppmのAsH_3を暴露してもラット、及びマウスで発生学的な毒性は引き起こされないことが本年度明らかにされた。
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