研究課題
F.moniliformeの毒性学的研究を行ない、以下の成果を得た。1米国産輸入トウモロコシについてFusarium汚染の実態調査を行ない、高頻度の汚染を認めた。国内産オオムギ・コムギ、輸入オオムギ・コムギ・ハトムギについて調査を行なった結果、F.moniliformeは国内産コムギと中国産およびタイ国産ハトムギの少数例からのみ分離された。さらに国内農作物栽培上壌におけるFusarium分布調査の結果、F.moniliformeおよびF.subglutinansはサトウキビ畑のみから分離され、国内土壌には普遍的には存在しないことが判明した。2農作物中のフモニシン分析法を検討し、最良の方法を見い出した。この方法を用いて、分離したF.moniliforme var.subglutinansとF.moniliformeのフモニシン産生性を調べた結果、いずれの種にも高い毒素生能を示す株が認められた。米国産および南ア産輸入トウモロコシについてフモニシン汚染調査を行なった結果、それらトウモロコシにフモニシンの汚染が認められた。3輸入および国産農作物から分離されたF.moniliformeとF.moniliforme var.subglutinans株の水溶性抽出物のSephadex LH20カラムクロマトグラフィ-分画について、各種株化培養細胞および肝初代培養細胞の増殖を指標として毒素の検索を行なったところ、新規毒素の可能性を示す画分を得ることができ、これについては毒素の精製を継続中である。4国米側分担研究者は、フモニシンがラット肝細胞のスフィンゴ脂質生合成阻害を、sphingosine Nーacyltransferaseとsphinganine Nーacyltransferase活性を阻害することによって引き起こすことを示した。
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