研究課題
熱帯果実の栽培について:タイ国内の主要生産地であるチャンタブリ、チェンマイなどにおいて栽培現況を視察し、栽培品種及び栽培技術について、資料の収集並びに栽培の実態調査を行った。またチェンライ周辺で上記果実以外の種類について栽培現況を視察し比較を行った。視察の間同行したカセサ-ト大学の研究者と常に意見交換を行い、熱帯果実についての理解を深め、また温帯果実の導入についての意見交換を行った。特にドリアン、マンゴスチン、ランブ-タンなど、その生態あるいは栽培現況が不明であった果実について資料の収集とその理解を深めることができた。また温帯果実との比較で、現地の研究者との意見交換をすることができた。果樹の害虫について:ロンガン、レイシ、イチゴ、マンダリンオレンジ(北部タイのチェンマイ)、ドリアン、マンゴスチン、ランブ-タン(バンコク周辺及び東部タイのチャンタブリ)の栽培園において、これらの果実の害虫の種類、発生様相及び害虫による被害の実態について現地調査を行いその大略を知ることができた。ミバエ類の存在が輸出上の障壁となっているマンゴスチンに関しては、立木上の果実の被害は殆んど存在しないことがわかった。これは従来の知見とは全く異なる結果であった。また、各種果樹の開花時に、果樹の花器部を加害する害虫の発生量が多く、結果率や傷果の発生に大きな影響を及ぼしており、これらの害虫の発生と被害の実態の究明が今後の重要課題として存在することがわかった。カセサ-ト大学の招へい者2名による特別セミナ-が香川大学農学部で行われ教官、学生60名が聴講した。熱帯果樹の栽培、害虫についての意見交換も行われた。また、日本国内の果樹栽培、害虫関係の試験研究機関を訪問したり、現地調査、資料の収集を行い交流の実績をあげることが出来た。