研究分担者 |
姚 海涛 佳木斯医学院, 医学系, 助手
孟 丹 佳木斯医学院, 医学系, 講師
楊 麗霞 佳木斯医学院, 医学系, 講師
ちゃん 永国 佳木斯医学院, 医学系, 副教授
陶 富山 佳木斯医学院, 医学系, 副教授
清久 泰司 高知医科大学, 医学部, 助手 (70195402)
弘井 誠 高知医科大学, 医学部, 助手 (20156699)
園部 宏 高知医科大学, 医学部, 助教授 (20145121)
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研究概要 |
本研究は主として環境要因に基づく脳の組織形成異常の発生機序を病理学的に解明することを目的としている。佳木斯医学院では黒龍江省にクレチン症多発村落があり,クレチン症による脳発達障害の発生機序の解明と適切な対策の確立が急がれている。このため,われわれは昨年度に引さつずきヒトおよび実験モデル脳形成障害につき比較検討を試みた。本年度の主な実績は下記の通りである。 1.平成3年度派遣計画は交付申請書記載の通り実施された。原は8月佳木斯医学院において,平成2年度協力研究による人体および実験病理学的検索成績について講演とセミナ-を行うとともに,今後の研究の進め方について討議した。また,クレチン症剖検脳について意見を交換した。一方,電子顕微鏡観察法についての実技を指導した。平成2年度にひきつずき,クレチン症多発集落(黒龍江省樺川県蘇家店鎮集賢村)を視察,患者の感庭を訪問診察し,少数例ではあるが血液濾紙を用い採血,帰国後検索した。 2.交付申請書記載のちゃん永国副教授,姚海涛助手を招へいし,ヨ-ド欠乏,抗甲状腺剤によるクレチンラット脳,とくに小脳を免疫組織学的ならびに電顕的に共同観察した。また,上記のクレチン多発集落の作物と水で飼育した幼ラットについて内耳を走査および透過電顕により観察した。小脳皮質の発達が遅滞するが,髄質にミエリン塩基性蛋白の染色性が弱いこと,顆粒層のsynaptophysinの免疫組織化学的反応が弱いことなどを見出した。内耳の外有毛細胞や螺旋神経にも変化がみいだされた。これらの知見は平成4年日本病理学会総会(仙台),日本先天異常学会(東京),International Academy of Pathology(Madrid)などで発表の予定である。 3.実験的検索と併行して,ヒト周生期死亡例,染色体異常疾患の小脳および眼組織奇形につき検索中である。
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