• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 研究成果報告書概要

沖縄およびタイ国におけるウイルス性,寄生虫性疾患の血清疫学と発症病理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02045036
研究種目

国際学術研究

配分区分補助金
応募区分大学協力
研究機関琉球大学

研究代表者

福永 利彦  琉球大学, 医科部, 教授 (10029796)

研究分担者 NIWAT MANEEK  チェンナイ大学, 医学部, 准教授
CHIRASAK KHA  チェンマイ大学, 生命科学研究所, 所長
牧野 芳大  琉球大学, 医学部, 助教授 (60039930)
佐藤 良也  琉球大学, 医学部, 教授 (60092699)
岩政 輝男  琉球大学, 医学部, 教授 (10110842)
KHAMBOONRUANG Chirasak  Research Institute for Health Sciences, Chiang Mai University
MANEEKARN Niwat  Department of microbiology, Faculty of Medicine, Chiang Mai University
研究期間 (年度) 1990 – 1992
キーワード日本脳炎 / デング出血熱 / フラビウイルスの免疫交叉応答 / RT-PCR / バキュロウイルスシステム発現蛋白 / 単純ヘルペスウイルスII / 糞線虫症 / 糞線虫症の血清学的診断
研究概要

この大学間協力研究は,3つの分野からなる。
1。日本脳炎(JE)とデング出血熱(DHF)に関する研究。 1-(1).2つのフラビウイルス感染症における交叉免疫応答,特に既存抗体を持つ場合の免疫応答。 1-(2)。簡便な鑑別診断用抗原の遺伝子組換えによる開発。1-(3).DHFの早期診法として,Reverse Transcriptase-Polymerase Chain Reaction(RT-PCR)の有用性の検討。
2。単純ヘルペスウイルス(HSV)の研究。 2-(1).HVS-IIウイルスの沖縄分離株とチェンマイ分離株を,病原性とDHA切断パタ-ンによって解析する。 2-(2).HVS感染について,チェンマイ地域において血清疫学的調査を行う。
3。糞線虫症に関する研究。 3-(1).チェンマイ地域における糞線虫症の野外調査。 3-(2).新しく開発された血清学的診法を沖縄とチェンマイで実施し,その有用性を検討する。
これら3つ分野における協力研究により,得られた成績の概要を以下に述べる。
1-(1).既存抗体の影響は,これまで考えられていたよりも更に強いことが分かった。即ち,フラビウイルスの再感染では,中和試験によって起因ウイルスを同定できるとされているが,それが不可能な例が少なからず確認された。既存のJE抗体を持つものが,デングウイルスの感染を受けると,12/34(35%)が抗デング中和抗体の有意な上昇(≧×4)と共に,抗JE中和抗体も有意に上昇し,ウイルス分離によらねば診断不能であった。逆に,既存の抗デング中和抗体を持つものが,JEウイスルの感染を受けた場合,2/5(40%)が両者に対する中和抗体価の有意な上昇を示した。これらの結果だけでは,JEとデングの同時感染の可能性を否定できないが,沖縄における米海兵隊のJE患者の血清的調査から,同時感染は否定された。即ち,1991年に海兵隊から3人のJE患者が発生したが,彼らは全て黄熱生ワクチンの接種を受けていた。彼らは全て抗JE中和抗体のみならず,抗黄熱中和抗体も有意な上昇を示した。沖縄に黄熱ウイルスが存在するとは考えられないので,同時感染は否定される。 このように,フラビウイルスの再感染においては,血清学的方法によるだけでは診断不可能なケ-ス存在することが明らかになった。
1-(2).デングウイルス4型のエンベロ-ブ蛋白のアミノ基側約2/3を発現させた蛋白は,JEとDHFを鑑別診断する上で有用であるという成績を得た。その特異性は,中和試験に匹敵すると考えられた。この結果は,Am.J.Trop.Med.Hyg.45,636-646,1991.に掲載されている。
1-(3).PT-PCR法は,DHFの早期診断としてウイルス分離に劣らず有用であることが分かった。1-(1)で述べたように,血清学的方法に限界があるので,ウイルスRNAの検出による早期診断法は推奨される。但し,コスト面での問題は残る。
2-(1).HVS-II分離株のDNA種々の酵素で切断すると,そのパタ-ンにおいて沖縄,チェンマイそれぞれに特徴がみられた。HVS潜伏感染する故,地域のウイルスの遺伝子レベルにおける特徴がよく保存されているためと考えられる。ウイルスの病原性の検討では,沖縄分離株の中に,マウスに対して強い病原性を有するものと弱いものが存在することが分かった。病原性の強いHVS-IIウイルスは,マウスの末梢接種により中枢中経症状を起こして死亡する。その脳組識内にウイルスが増殖していることが確認された。
2-(2).血清疫学によって,チェンマイ地域では10-19才で80%以上がHVS感染を受けていることが分かった。
3-(1).チェンマイ農村部の小児と成人,1,053人の調査で,糞線虫陽性者は20.5%,タイ肝吸虫が20.6%,成人のみ(363人)では,タイ肝吸虫が54.0%,糞線虫は46.3%であった。何らかの消化器性寄生虫を持つものは,成人で86.5%に達した。
3-(2).佐藤らが開発したELISA法を沖縄とチェンマイで使用し比較検討した。便培養法により糞線虫陽性者と陰性者に分け,本ELISA法を試みたところ,沖縄のサンプルは明確に2群に対応したが,チェンマイでは便培養陽性サンプルでもELISAで陰性となったり,逆に陰性と確認されたサンプルが陽性を示すものがあった。チェンマイの農村地域では,他の多くの寄生虫の共感染があり,それらの間の何らかの交叉反応によりクリア-な結果が出なかった可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Y.MAKINO et al.: "Potential use of baculobirus-expressed dengue-4 E protein as a diagnotic antigen in regions endemic for dengue and Japnese encephalitis" American Journal of Tropical Medicine and Hygiene. 45. 636-646 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] YOSHITAKE,H.et al.: "Seroepidemiology og herpes simplex and ristriction endonuclease cleavage analysis of simplex virus type 2 in Okinawa" Acta pathol.Jpn.41. 24-30 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] SATO,Y.et al.: "Application of enzyme-limked immunosorbent assay for mass examinaion of strongyloidiasis in Okinawa,Japan" International Journal for Parasitology. 20(8). 1025-1029 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] SATO,Y.ea al.: "Gelatine particle inditect agglutination test for mass examination for strongyloidiasis" Transaction of the Royal Society of Tropical Medicine and Hygiene. 85(4). 515-518 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Y. Makino et al.: "Potential use of a baculovirus-expressed dengue-4 E protein as a diagnostic antigen in regions endemic for dengue and Japanese encephalitis" American Journal of Tropical Medicine and Hygiene. 45. 636-646 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Yoshitake, H. et al.: "Seroepidemiology of herpes simplex virus and restriction endonuclease cleavage analysis of herpes simplex virus type 2 in Okinawa" Acta Pathol. Jnp.41. 24-30 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Sato, Y. et al.: "Application of enzyme-linked immunosorbent assay for mass examination for strongyloidiasis in Okinawa, Japan" International Journal for Parasitology. 20(8). 1025-1029 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Sato, Y. et al.: "Gelatine particle indirect agglutination test for mass examination for strongyloidiasis" Transaction of the Royal Society of Tropical Medicine and Hygiene. 85(4). 515-518 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

URL: 

公開日: 1994-03-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi