研究課題
薄膜試料電子ビ-ム蒸発法:パルス電子ビ-ムを用いてYBCO系バルク超伝導体の蒸発を行った。パルス電子ビ-ムのパワ-に依存して、薄膜の組成が変化した。パルスのDuty Ratioをより小さくすることが必要であることが分かった。低温成長:surfaguideと呼ばれるマイクロ波プラズマ発生器とミスト薄膜形成装置を作製した。薄膜形成条件を研究中である。sputtering:大同工大ではRFマグネトロンsputtering装置を組み上げ、単一targetを用いた成膜を目指している。ノッチンガム大では、Y系薄膜はSEM観察では構造がない高品質薄膜を形成できる。またこれにパタ-ンエッチングをほどこし電圧電流特性測定から、散逸過程に対する知見を得た。すなわち実験結果は、Tc近くではAbrikosov vortexは散逸過程の主要な過程ではなく、vortexーantivortex pairingに基ずく散逸が主要であることを示唆している。ドライ及びウエット・エッチングのTcの変化に対する効果を調べている。また多層薄膜形成用のスパッタリング装置を組立中である。バルク試料本焼前の粉砕時間の差が焼成後のBSCCO超伝導体特性に与える影響を調べた。アルミナ乳鉢を用いた場合、10時間以上の粉砕では、試料粉へのアルミナ汚染が顕著となり超伝導特性の劣化の原因となった。固相反応法を用いてBSCCO系のWhiskerを成長させた。電顕観察によって、a軸方向にのびた80K級の単結晶であることが分かった。ノッチンガム大でのBi系バルク試料の電圧電流特性測定からバルクの散逸過程の理論にはある種の制限が加えられるべきである事が分かった。