研究課題/領域番号 |
02101001
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 (1992-1994) 大阪大学 (1990-1991) |
研究代表者 |
御子紫 克彦 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30051840)
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研究分担者 |
廣澤 一成 東京大学, 医科学研究所・, 教授 (30009980)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1994
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キーワード | カルシウムシグナリング / イノシトール3リン酸 / 小胞体 / イノシトール3リン酸レセプター / カルシウムチャネル / 小脳ミュータントマウス / 海馬錐体細胞 / 小脳プルキンエ細胞 |
研究概要 |
小脳プルキンエ細胞を変性脱落するミュータントマウス(pcd,nervous)で欠損している高分子の膜蛋白質をみつけ、これがIP_3受容体であることを明らかにしてきた。また、IP_3受容体のcDNAをクローニングし、その全一次機構を決定した。このcDNAを培養細胞中で形質発現させ、発現する蛋白がIP_3結合活性をもつとともにIP_3誘導Ca^<2+>チャネル活性をもつことも示した。IP_3受容体の分子構造の解折から、IP_3結合領域やcAMP依存性リン酸化などの調節領域、Ca^<2+>などのチャネル領域などのドメイン構造の存在を明らかにした。さらに、IP_3受容体のスプライシング・サブタイプを見つけ、それが細胞・組織特異的、脳の発達段階特異的に発現していることも明らかにした。 更に受精及び発生における、IP_3受容体を調べる目的で、アフリカツメガエル卵母細胞に発現しているIP_3受容体のcDNAをクローニングし、cDNA(9kb)の全塩基配列を決定した。細胞へのcDNAトランスフェクションにより、IP_3結合能を有する蛋白質をコードしていることが明らかとなった。抗体を用いた免疫組織科学的解析により、卵母細胞及び卵細胞において、細胞表層部と中央部に陽性の反応が見られた。この局在は受精時に発生するカルシウム波の発生と密接な関係があると考えられた。アンチセンスオリゴヌクレチオドを予め卵母細胞へ注入することにより、卵母細胞のIP_3注入による活性化が抑制された。また、ハムスター卵内へ抗IP_3受容体を注入することにより、Ca^<2+>波、Ca^<2+>oscillationも阻害できることから、IP_3受容体が受精にひきつづく一連の発生現象に重要な役割を果たしていることが考えられた。各種IP_3受容体のミュータントを作製し、更に、金コロイド法によりIP_3受容体は6回膜貫通蛋白質であることが明らかとなった。
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