研究課題/領域番号 |
02151015
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川名 尚 東京大学, 医学部(分), 教授 (90010272)
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研究分担者 |
菅生 元康 長野赤十字病院, 部長
吉倉 廣 東京大学, 医学部(医), 教授 (60012754)
中島 孝 郡馬大学, 医学部, 教授 (20124422)
福島 道夫 札幌医科大学, 講師 (80142363)
高見沢 裕吉 千葉大学, 医学部, 教授 (60009107)
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キーワード | 子宮頸癌 / ヒトパピロ-マウイルス |
研究概要 |
本研究は、子宮頸癌の原因ウイルスとして注目されているヒトパピロ-マウイルス(HPV)が本邦の子宮頸癌からも検出されるか、また、HPVが子宮頸癌の原因となり得るのかを疫学的な見地から検討することを目的として以下の成績を得た。 1.子宮頸癌からのHPV検出 北海道から九州に至る全国的な規模で検討した。340例の子宮頸癌について主にサザンブロット法によりHPVの検出を行った所、HPVー16が35%、HPVー18、HPVー31、HPVー33、HPVー52b、HPVー58それぞれを合わせると約30%計65%に検出された。更に、PCR法を開発し、感度を上げて検出を試みた所、85〜95%に検出されることが判明し、本邦の子宮頸癌もHPVと密接に関連することが判明した。 2.前癌病変からのHPV検出 若し、HPVが子宮頸癌の原因ならば、子宮頸部の前癌病変からもHPVが検出される筈である。前癌病変である異形上皮や上皮内癌からの検出を試みた所、40〜50%に検出されること、PCR法を用いると、80〜90%に検出されることが判明した。このことは、HPVが発癌と深く関わり合う可能性を示している。 3.正常婦人からのHPV検出 一方、正常な婦人の子宮頸部からのHPVの検出を行ってみると5.4〜12%の頻度で検出されることも判った。これらのHPV感染している婦人は、将来、子宮頸癌を発症するハイリスク群かも知れない。このような婦人の追跡調査が必須である。
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