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1990 年度 実績報告書

自己造血幹細胞移植によるがん治療の基礎的臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02151017
研究機関東京大学

研究代表者

浅野 茂隆  東京大学, 医科学研究所, 教授 (50134614)

研究分担者 中畑 龍俊  信州大学, 医学部, 助教授 (20110744)
須田 年生  自治医科大学, 血液内科, 講師 (60118453)
帯刀 益夫  東北大学, 抗酸菌研究所, 教授 (10099971)
小澤 敬也  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30137707)
小川 一誠  癌研究会, 癌化学療法センター, 部長 (70124245)
キーワード造血幹細胞 / 骨髄移植 / ストロ-マ細胞 / GーCSF / cーkit / CD34 / ILー6 / 末梢血単核細胞移植
研究概要

自己造血幹細胞移植による癌治療の成績向上のためには、移植する骨髄細胞からの癌細胞のin vitro purging法,新しい抗ウイルス剤・抗癌剤・免疫賦活剤などの開発も必要である。しかし、本年度は1.適応拡大に繋がる造血幹細胞の増幅や幹細胞のpositive selectionによる再発予防法の確立を目指し、造血幹細胞の純化とその自己複製に関わる種々の因子、とくに骨髄ストロ-マ細胞の機能解析、2.種々造血因子、とくにGーCSFの移植療法への臨床応用に焦点をあてた研究を行った。新たに得られた主な知見は次の通りである。
1.(1)ヒト全骨髄有核細胞の約1%を占めるCD34陽性細胞からCD33陰性のものを純化、これらの細胞がILー3のみに反応し多方向へ分化すること、RTーPCR法でcーkit mRNAを発現していることを明らかにした。(2)マウス全骨髄有核細胞の約0.1%を占めるLin^ーWGA^+Thyー1^<low>cーkit^+細胞を純化し、そのうち2個に1個はCFUーSでありILー3に反応することを示した。(3)マウス胎児肝などから多くのストロ-マ細胞株を樹立するとともに、それらへの接着が造血支持に重要であることと各細胞株の機能の多様性を明らかにした。(4)ストロ-マ細胞株にILー6やGーCSF遺伝子を導入することにより、ストロ-マ細胞の造血支持能を増強することが可能であることを明らかにした。
2.(1)悪性リンパ腫の前処置にはthiothepaを大量に併用する方法が有効であり、かつ移植後のGーCSF投与が骨髄機能、とくに好中球の回復を著明に促進させることを明らかにした。(2)骨髄性白血病に対して、GーCSF併用前処置法が再発防止に極めて有効である可能性を示唆できた。(3)末梢血単核細胞移植を積極的に行い、これがとくに小児科領域で骨髄移植に優りうることを明らかにした。また、この際の末梢血造血幹細胞採取の効率化にGーCSFの前投与が非常に有用であることがわかった。(4)サルにILー6を連日投与すると血小板生成が亢進、末梢血小板数が2〜3倍に増加することを示し、将来ILー6が臨床で有用であることを示唆できた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Okada S.,<Suda T.,>___ーTokuyama M.,Nagayoshi K.,Miura Y.,Nakauchi H.: "Effect of interleukin 3,interleukin 6,and granulocyte colony stimulating factor on sorted murine splenic progenitor cells" Exp Hematol.

  • [文献書誌] Takaue Y.,Kawano Y.,Reading CL.,Watanabe T.,Abe T.,<Ninomiya T.>___ー,Shimizu E.,Ogura,T.,Kuroda Y.Yokobayashi A.,<Nakahata T.>___ー,<Asano S>___ー.: "Effects of recombinant human GーCSF,GMーCSF,ILー3 and ILー1 on the growth of purified human peripheral blood progenitors" Blood. 76. 330-335 (1990)

  • [文献書誌] Yanai N.,Satoh T.,and <Obinata,M>___ー.: "Endothelial cells create hematopoietic inductive microenvironment preferential to erythropoiesis in mouse spleen" Cell Structure and Function.

  • [文献書誌] <Asano S.>___ー,Okano A.,<Ozawa K.,Nakahata T.>___ー,Ishibashi T.,Koike K.,Kimura H.,Tanioka Y.,Shibuya A.,Hirano T.,Kishimoto T.,Takaku F.and Akiyam Y.: "In vivo effects of recombinant human interleukinー6 in primates;stimulated production of platelets." Blood. 75. 1602-1605 (1990)

  • [文献書誌] Tani K.,<Ozawa K.>___ー,Ogura H.Takahashi T.,Okano A.,Watari K.,Matsudaira T.,Tajika K.,Karasuyama H.Nagata S.,<Asano S>___ー.and Takaku F.: "Implantation of fibroblasts transfected with human granulocyte colonyーstimulating factor(GーCSF) cDNA into mice as a model of cytokine supplement gene therapy" Blood. 74. 1274-1280 (1989)

  • [文献書誌] Takahashi S.,Tajika K.,Inoue T.,Ogura H.,Matsuishi E.,Kozai K.,Kodo H.,Okamoto S.,Shimane M.,Tojo A.,Tani K.,<Ozawa K.>___ーand <Asano S.>___ー: "Simultaneous administration of recombinant human granulocyte colonyーstimulating factor with total body irradiation and highーdose cytokine arabinoside" In preparation.

  • [文献書誌] 浅野 茂隆: "新生化学実験講座7:増殖分化因子とその受容体(日本生化学会編)" 東京化学同人, 19 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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