研究課題/領域番号 |
02151045
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
増田 康治 九州大学, 医学部, 教授 (10037377)
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研究分担者 |
阿部 光幸 京都大学, 医学部, 教授 (00025587)
坪内 進 福井医科大学, 医学部, 助教授 (70073137)
鈴木 捷三 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30012743)
大原 弘 放射線医学総合研究所, 障害基礎研究室, 室長 (20160608)
吉井 与志彦 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (50110507)
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キーワード | 難治性腫瘍 / 粒子線治療 / 細胞反応 / 組織反応 |
研究概要 |
粒子線を導入することによって、従来のX線やγ線で治療できなかった腫瘍を制御できるようになる可能性があることを、in vitroの実験系で示すことを試みた。このためには、治療可能比が粒子線を用いることによって改善されることを証明する必要がある。しかし、腫瘍と正常組織との全ての組合せで、このことを証明することは困難である。粒子線のRBE値が細胞の種類に関係なく一定であれば、それは粒子線を用いても、X線やγ線を用いたときの線量効果関係は平行移動することを意味しており、粒子線を用いることによる治療可能比の改善は期待できない。ここでは、X線やγ線に対する放射線感受性の様々な、そして組織型でも様々なin vitro培養細胞36株を用いて、α線および中性子線のRBE値を求め、間接的にこのことを証明することを試みた。細胞のX線やγ線に対する放射線感受性の高低は中性子線に対するそれと一致した。またRBE値はX線に対する感受性が高いものほど小さい傾向にあった。他方α線に対するRBE値は、様々でかつX線に対する放射線感受性とも無関係であり、中性子線を用いることによっては治療可能比の改善は期待できないが、α線を用いることによって治療可能比が改善することが示唆された。 粒子線治療における最適分割照射法について検討するため、マウス下肢を中性子線で二等分割照射し、早期および晩発性の皮膚反応に関して、分割間隔と障害からの回復および標的細胞の再増殖との関係をγ線照射におけるそれと比較検討した。分割照射することによって、等効果線量は増加し、次いで減少し、さらに分割間隔が延長することによって再度増加した。山と谷とがあらわれる時期は、早期の皮膚反応を指標にしても、晩発性の皮膚反応を指標にしても、γ線照射のときよりも中性子線照射のときは、早くあらわれた。
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