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1990 年度 実績報告書

抗腫瘍活性発現に重要な新しい細胞間接着分子(LADー1)の機能及び性状の解析

研究課題

研究課題/領域番号 02152112
研究機関東海大学

研究代表者

西村 孝司  東海大学, 医学部, 助教授 (30143001)

研究分担者 垣生 園子  東海大学, 医学部, 教授 (30051618)
キーワード細胞間接着分子 / Thyー1分子 / LFAー1 / ICAMー1 / LAK / CTL
研究概要

マウスfibrosarcoma WEHI164で過免疫したラット脾細胞をP3X63と細胞融合することにより、LFAー1ーICAM1依存的なT細胞凝集やキラ-活性発現を阻害することができるモノクロ-ナル抗体の作製に成功した。このTN14mAbはT細胞と強い反応性を示したが、Mφ,B細胞、骨髄細胞とは反応性を示さなかった。また、TN14mAbは免疫源であるWEHI164や骨髄細胞の細胞表面分子とは反応しないが、細胞質内に存在するアクチンとは強い反応性を示した。以上のことから、T細胞表面にはTN14mAbによって認識されるアクチンと同一のエピト-プを有した細胞間接着分子が存在することが示された。免疫沈降反応等により解析した結果、TN14mAbによって認識される分子はThyー1分子であることが明確にされた。PIーPLC処理によるTN14mAbの反応性の低下やThyー1遺伝子を導入したJurkat細胞とTN14mAbの反応性は、TN14mAbで認識される抗原がThyー1であることをさらに裏づけた。TN14mAbとT細胞の反応性は精製アクチンの添加によって阻害されることから、TN14mAbはThyー1分子上のアクチンエピト-プを認識していると思われる。TN14mAbが抗LFAー1抗体や抗ICAM1抗体と同様にPMA誘発T細胞凝集を阻害することより、Thyー1分子がT細胞相互作用に重要な分子であると思われた。そこで、TN14mAbを用いてThyー1分子の抗腫瘍活性発現における役割を検討したところ、TN14mAbの添加によって、LAK、CTLのいずれの活性も阻害されることが明らかとなった。
以上の結果より、TN14mAbで認識された分子しThyー1であることが明確にされ、Thyー1分子上に存在するアクチン関連エピト-プはLFAー1,ICAMー1と同様に抗腫瘍活性発現を含むT細胞間接着の調節に重要な分子であることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takashi Nisimura: "Thymic Stromal cellclone with nursing activity supports the growth and differentiation of murine CD4^+8^+ thymocytes in vitro" J.Immunol. 145. 4012-4017 (1990)

  • [文献書誌] Yoshihiko Nakamura: "MacrophageーT cell interaction is essential for the induction of P75 Interleukin 2(ILー2)receptor and ILー2 responsiveness in human CD4^+T cells." Jpn.J.Cancer Res.82. 257-261 (1991)

  • [文献書誌] Takashi Nishimura: "T cell receptorーindependent cellーmediatedd cytotoxicity by rude mouse lymphokineーactivated killer cells." Jpn.J.Cancer Res.82. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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