研究課題/領域番号 |
02201105
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
平澤 朋郎 東北大学, 理学部, 教授 (80011568)
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研究分担者 |
楠瀬 勤一郎 地質調査所, 環境地質部, 主任研究官
加藤 尚之 東北大学, 理学部, 助手 (60224523)
山本 清彦 東北大学, 理学部, 助教授 (90004390)
大中 康誉 東京大学, 地震研究所, 教授 (00012956)
松浦 充宏 東京大学, 理学部, 助教授 (00114645)
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キーワード | 最大加速度 / 高周波地震動 / スティック・スリップ / 破壊伝播速度 / 応力降下量 / 歪速度依存性 |
研究概要 |
内陸で発生する浅発地震の場合、断層至近距離において強震動がどの程度の最大加速度でどの程度の高周波数成分をもち得るか、という問題は未だに解決されていない。この問題に関する物理的解析を深め解決の手掛りを得るために、既存断層をもつ大型岩石試料の2軸圧縮テストにより、固着ーすべりの室内実験を行った。その具体的な目的は、すべりの核生成過程を明らかにすること、破壊伝播速度の多様性を確かめること、これらと関連して励起される弾性波の加速度スペクトルを明らかにすることである。主な結果は下記の通りである。 1.安定すべりと高速で伝播するスティック・スリップとの中間には、多様な伝播速度をもつ不安定すべりが存在している。 2.これは、動的な応力降下量やすべり強度がひずみ速度の増加につれ増大すること(歪速度依存性)、に関係している。 3.すべり核生成過程およびその周辺領域では高周波数地震波は発生しない。破壊が十分成長して高速(たとえば、1km/sec以上)になると、高周波数の地震動が発生する。 4.断層近傍では、1MHz以上の高周波数振動がすべりの開始直後の短い時間間隔(すべり継続時間1/5以下)においてのみ観測される。 5.破損領域長が約4cm、破壊伝播速度が2.4km/secという実験結果を用いると、既往の理論モデルから予測されるf^<max>は60kHzとなり、実際に測定されている上記周波数よりはるかに小さい。
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