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1990 年度 実績報告書

伊東沖海底の噴火の特性とその予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02201202
研究機関東北大学

研究代表者

浜口 博之  東北大学, 理学部, 教授 (20004385)

研究分担者 西村 太志  東北大学, 理学部, 学振特別研究員 (40222187)
森田 裕一  東北大学, 理学部, 助手 (30220073)
植木 貞人  東北大学, 理学部, 助手 (40004501)
キーワード海底 / 火山噴火予知 / 群発地震 / マグマ / 噴火前兆現象
研究概要

1989年7月13日の伊東沖海底噴火の直後より約100日間伊東市周辺の7ヶ所で実施した観測デ-タから,P,S時間を再験測し,高精度の震源決定をおこなった。群発地震は深さ2km以深の基盤(Vp=5.3〜5.4km/sec)に起きているが,噴火地点(手石海丘)直下のみは,深さ0.5〜2kmの湯ヶ島層群(Vp=2.6〜3.0km/sec)にも地震がしみだすように発生している。この表層は一般に地震を起こし得ない軟らかな地層であるにもかかわらず,噴火地点直下のみに地震が認められることは,マグマの急激な上昇に伴う応力を反映したものであろう。このような地震の震源分布を手石海丘と対比し,地震グル-プBとCの間
の空白域が深部マグマ上昇経路を示すものであると結論づけた。また,1930年(昭和5年)の伊東群発地震の読み取り値(Nasu,1933)を再検討し,新しい地殻構造モデルに基づき,震源の再決定をおこなった。この結果,1930年の活動は震央位置は1989年と同一であるが,深さ分布に決定的な差異があることを明らかにした。すなわち,1930年は地震が深さ6〜10kmに分布し,一方,1989年は1〜5kmに分布する。両者の有意な差は水準測量の結果でも認められた。群発地震の深さの差が海底噴火の発生要因を決めている。事後の判断ではあるが,60年前の伊東群発地震は,今回の噴火の前駆的現象であったと結論される。噴火前兆現象が地震計測学的に,このような60年間をはさんで検出されたことは,噴火子知の長期的予測や単成火山の噴火機構を知る上から重要な知見といえる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 植木 貞人,森田 裕一,西村 太志,浜口 博之: "1989年伊豆半島東方沖海底火山噴火直後の精密震源分布" 月刊地球. 13. 74-78 (1991)

  • [文献書誌] 浜口 博之,植木 貞人,森田 裕一,西村 太志: "1989年伊東沖海底噴火活動と1930年伊東群発地震の関係" 自然災害科学東北地区部会. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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