研究課題/領域番号 |
02201228
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
角屋 睦 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027210)
|
研究分担者 |
近森 秀高 京都大学, 防災研究所, 助手 (40217229)
田中丸 治哉 京都大学, 防災研究所, 助手 (80171809)
|
キーワード | 豪雨特性 / 都市化 / 内水排除計画 / 氾濫解析 / OR的手法 / 最適水工計画 |
研究概要 |
近年、内水災害危険度の高い低平地流域でも急速に都市化が進行しているが、それに対処すべき治水施設の規模配置の合理的な決定手法の確立を目的として、これに必要な基礎的諸問題を以下のように攻究した。 1.大和川流域のような低平都市化域の対策を想定して、パタ-ン認識の手法を利用して奈良及び大台ケ原の豪雨波形の特性分析を試みた。この結果、大台ケ原では豪雨の核となる代表的な波形要素が抽出できたのに対し、奈良では抽出できなかった。両者の間には雨量及びその継続時間に大きな差があることも一因とみられる。さらに複峰波形の表現法を工夫した実用的手法が開発できる見通しを得ている。 2.前年度に引続き、一山降雨を想定して得られる累加流入量曲線を基礎として、排水機を効率的かつ安全に稼働させるために必要な前池容量の決定方法を検討した。その結果、前池の容量はその溢水を回避するための容量と、排水機の間欠運転を避けるための容量の和として表現できること、排水機能力の増加に伴い前者は減少するが後者は増大し、容量最小の解は存在するがそれは過大気味になること、小降雨時に許容すべき間欠運転回数の設定法などが攻究された。 3.京都南部の古川流域を事例研究流域として、内水排除施設の最適規模配置問題を建設費最小問題として、DP手法の定式化の方法、都市化・低平農地への超過洪水氾濫補償費などの諸要素が最適解に及ぼす影響などが攻究された。前年度では、これまでの計画の妥当性の検討に主眼を置いたが、今年度は将来の対策を主体として、前年度に十分検討できなかったいくつかの問題も詳細に検討された。その結果、新規の施設設置よりも、平成2年に新設の排水機場を含む現況施設の拡張ないし更新が最適解になること、下流側農地に溢水氾濫させ補償する案は、その額に一応の限界のあることなどが明らかにされた。
|