研究課題/領域番号 |
02201232
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 善一 京都大学, 工学部, 教授 (60025856)
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研究分担者 |
伊津野 和行 京都大学, 工学部, 助手 (90168328)
黒田 勝彦 京都大学, 工学部, 助教授 (20026157)
家村 浩和 京都大学, 工学部, 助教授 (10026362)
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キーワード | ライフライン / 震災復旧 / エキスパ-トシステム / 橋梁 / 復旧支援システム / 都市基盤施設 / 被害度判定 / 都市防災 |
研究概要 |
都市の基盤施設である上下水道、ガス、電力、道路、通信施設などが震害を受けた場合、都市の民生を守るために一刻も早い復旧が望まれる。それぞれの施設の重要度や被害程度、またそれらの相関性から復旧の順序と方法を決めなければならない。この場合に用いる計画や戦略に関する手法としては種々のものが提案されており、また復旧を支援するシステムも研究されているが、実用上十分使用に耐える手法はいまだ確立されているとは言えない。本研究では、専門家の知識デ-タを活かし、実地震により被害を受けた都市基盤施設に対して現場技術者が行う、震後対策の意志決定を支援するエキスパ-トシステムを構築し、その実用性および問題点について検討した。具体的に復旧支援システムを構築するにあたって震害を受けた橋梁を対象として選び、エキスパ-トの知識としては、建設省が昭和61年に作成した「震災復旧技術マニュアル(案)」を採用した。震災復旧のなかでも特に時間的余裕の少ない応急復旧の工法選定に重点をおき、本復旧については工法の種類の提示にとどめた。そして本システムを、1964年新潟地震、1978年宮城県沖地震および1990年フィリピン地震において被災した計10橋に適用し、実際の復旧方法と比較することによってその実用性について検討した。その結果、被害度の判定と応急復旧工法の選定に対して、両者の間には高い相関性がみられた。本システムで提示された応急復旧工法が実際と異なる場合に関して検討した結果、本システムの判断フロ-をより細かく設定することにより両者を一致されることが可能であると判明した。より詳細な設定をするため、判断ル-ルを変更することも容易であり、この点でも本システムの実用性は高いといえる。事例を多数集めることにより、よりよいシステムに育テることが可能である。以上本研究は、災害科学の実用化という面において、大きな意義を持つものである。
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