研究課題/領域番号 |
02202113
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
高野 健人 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80126234)
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研究分担者 |
小原 秀雄 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (70076165)
大塚 柳太郎 東京大学, 医学部, 助教授 (60010071)
日暮 眞 東京大学, 医学部, 教授 (00010223)
村上 周三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40013180)
大井 玄 東京大学, 医学部, 教授 (70114410)
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キーワード | 健康指標 / 適応 / 都市化 / 人間居住環境 / 都市人工空間 / 広域都市圏 / 高度技術社会 / 超高層高密度人工空間 |
研究概要 |
広域都市圏において現在進行している健康影響と居住環境の特性について、野外調査により都市住民の様々な健康指標を用いて調査・評価を行い、以下の成果を得た。(1)高層集合住宅居住高齢者において、心身の自覚症状やソ-シャル・サポ-トが健康水準に影響を及ぼす重要な要因であることが示唆された(大井)。(2)高層高密度住宅では、シェルタ-性能、住まい方、暖冷房設備のバランス良い計画が必要である事が明らかになった。また、超高層集合住宅は独立住宅に比較して機密性能が高いこと等が明らかになった(村上)。(3)高層集合住宅居住の母子の行動には時間的集積性が高いこと、特徴的な行動パタ-ンが存在すること、行動特性とエレベ-タ等の設備との関連性がある事が明らかになった(日暮)。(4)東京通勤圏18市町においては、人口生産と再生産の構造が異なっており、人口移動、産業構造等との関連性が明らかになった(大塚)。(5)大規模人工空間においては、そこを利用する人間(ヒト)の行動は、空間のもつ機能に依存して定型的なものになるといった事例が得られた(小原)。(6)開発途上国における都市化による健康影響評価では、社会関係の商品化に着眼し調査する事の重要性が判明した(中村)。(7)地域の健康指標は現在でも都市圏内の地域差があることが明らかになった。個人の生活行動と都市化の関連性については、(1)母親の飲酒習慣に、都市化の影響が示唆され、(2)高層階居住の高齢者では、居住環境への適応により旅行の実施者が多い事が考えられた。個人の健康水準を測定する新たな健康指標として、尿中脂質の測定方法を確立した。さらに、野外調査によりサ-カディアンリズムを測定する方法を確立した。(高野) 今後は、以上の健康影響の評価を継続し、また新たな健康指標を開発し、さらに、将来起こりうる人間と環境の不調和の予徴を診断し、対応方法を提起するための研究を行う。
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