研究課題/領域番号 |
02202121
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高月 紘 京都大学, 環境保全センター, 教授 (80026228)
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研究分担者 |
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
手塚 還 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (50118668)
原口 紘〓 名古屋大学, 工学部, 教授 (70114618)
安井 至 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20011207)
池田 正之 京都大学, 医学部, 教授 (00025579)
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キーワード | 先端産業 / IC産業 / 有機金属化合物 / 有機スズ / テトラメチルスズ / 物理化学処理 / 廃棄形態 / 溶出試験 |
研究概要 |
電子産業をはじめ、先端技術分野においてはその生産工程で種々の有害元素を使用し、その適正な管理、制御が要求される。また、既存の製品群においても、その使用過程で新たな環境汚染問題を生ずる有害化学物質が使用されている。IC産業で使用されるヒ素化合物、船底塗料や塩化ビニル安定化剤に使用される有機すず化合物などがその例である。そこで本研究は先端産業関連の研究、開発、生産、および製品に使用される各種化学物質のうち、有害で、かつ環境汚染を生起する可能性のある元素、とくにスズ、ヒ素、セレンなどの半金属元素を含む化合物を対象として、その制御、処理方式の確立を目指すものである。(1)先端産業における労働衛生学的調査をガリウム・砒素に対する暴露が最も大きいと思われる単結晶製造作業者を中心に、各種の作業を行っている従業員の健康調査をおこなった。ガリウム・砒素暴露が大きいと思われる群においても、その暴露に伴う血液学的異常・肝機能異常は確認されなかった(池田)。(2)先端産業関連の有害元素の将来動向予測にむけて、先端産業有害元素データベース作成、電子機器中における有害元素使用状況の解明を中心に検討した(安井)。(3)有害廃棄物の廃棄形態に関する検討として、我が国と米国でそれぞれ有害廃棄物の判定方法として定められている溶出試験方法ーすなわち、環境庁告示第13号法と、米国の資源保全回収法における毒性溶出試験(TCLP)を並行して行い、Cd、Pb、Cu,Cr等はTCLPによる溶出濃度が告示法に比べ高くなる傾向がみられることを確認した(高月)。(4)有機金属化合物の微量分析法として、液体イオン化質量分析法により、魚貝類中の有機スズ化合物を検出するための方法、条件を検討した(土屋)。(5)有機スズ化合物に関する吸脱着手法の分析化学的評価として、有機スズ化合物について吸着・溶出処理試験法の検討を行った(原口)。(6)半導体製造に関する排ガスの化学的制御・処理について、化学的には比較的安定であり、生体毒性の極めて高いテトラメチルスズ(TMT)の分解除去について検討をおこない、TMTの除去はシリカ・アルミナ、活性白土、酸性白土など固体酸性を有するものの上で顕著に起こっていることを確認した(手塚)。(7)生物を利用した有機スズ化合物の制御処理手法の開発として、種々の環境中に存在する細菌のトリブチルスズ化合物に対する感受性を検討し、耐性菌の分離およびその性状の検討を行った(篠田)。
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