研究概要 |
チオ-ルペプチドの代表として,グルタチオンを対象とした。グルタチオンの定量はEllman法に従った。チオジグリコ-ル等12種のチオ-ル化合物について,あらかじめ予備調査によって確立した手続きに従って、グルタチオン合成酵素活性並びに還元再生酵素活性が誘導されるか否かを調査した。その結果,グルタチオン還元酵素活性は、調べたチオ-ル化合物の範囲では,チオジグリコ-ル(5mM)、DMSO(5、50mM)、FAMSO(0.55mM)により誘導された。またブルタチオン合成酵素活性は,大腸菌では硫化ナトリウムでは誘導されたが,チオ-ル化合物で誘導するものは認められなかった。これに対し,Thiobacillus versutusではDMSOによって,活性は約4倍増大し,その産物であるグルタチオンはほとんど細胞外に分泌されていた。このことは,当面の目標である吸着促進に対して,正の効果を持つ。これら誘導処理の,石炭脱硫速度への影響調査が,次の課題となった。 次いで,吸着細菌のin situ検出については,うさぎからのポリクロナ-ル抗体は,アジュバント法を用いては調製できなかった。そこで,抗原を耳静脈に負荷限界きで直接注入し,特異抗体を調査した。この特異抗体により,Thiobacillus versutusの蛍光顕微鏡下での検出と同定が可能となった。また,色調分解法を用いることで,二値画像処理へ展開できることを示唆する実験結果も得た。しかし,抗原の性状から考えると,上記調製法で特異性を満たす抗体を得ることは,偶然に支配されるところがあるため,マウスBALB/cCrSlcの睥臓細胞とミエロ-マ細胞P3/NS1/1ーAg4ー1のハイブリド-マによる抗体産生細胞をThiobacillus intermediusについて調製した。出現した各ハイブリド-マコロニ-について,それらの産生するモノクロナ-ル抗体の種特異性検証が,次の課題となった。
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