研究課題/領域番号 |
02203105
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 邦夫 東京大学, 工学部, 教授 (70010808)
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研究分担者 |
亀山 秀雄 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10114448)
浅枝 正司 広島大学, 工学部, 教授 (40026224)
大矢 晴彦 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017950)
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
斎藤 安俊 東京工業大学, 原子炉研究所, 教授 (40005236)
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キーワード | 水素エネルギ- / 熱化学分解法 / UTー3サイクル / CVD耐食被膜形成 / Tic / Sic多層膜 / 高温膜分離法 / ケミカルヒ-トポンプ / 高熱伝導性多孔質触媒 |
研究概要 |
水から熱化学分解反応サイクルを用いて水素を製造するプロセス,および同じく熱化学反応によって低温排熱を高温の熱エネルギ-に変換して再利用できるようにするケミカルヒ-トポンプの開発を目指している。主要な成果を以下に列挙する。 (1)熱化学分解サイクルとして、カルシウムー臭素ー鉄の化合物から成るUTー3反応を小型実験装置で実証運転を行った。4段の反応を直列に連結して,1つの反応器から出るガスを直接に次の反応器に送る方式で連続的に水素製造運転を行い、13サイクルまで連結運転に成功し、反応物質の安定性が確認された。 (2)上記のサイクル工業化には、臭素と酸素が共存する腐食雰囲気下で大型製造設備を作り出せる材料技術の開発を必用とする。ステンレス材料上にチタンとケイ素の炭化物を化学吸着法により付着させて多尸膜をコ-ティングさせることで耐食性を付与することを試みた。腐食雰囲気に繰り返し曝したところ,見事な耐食性を示した。今後、温度変化に対する付着性を検討していく。 (3)上記のサイクルにおいて水素の分離は反応生成ガスを冷却すれば臭素や水蒸気が凝縮するので可能である。しかし、熱経済の上から生成ガス排出温度で膜による分離ができることが望ましい。アルミナやジルコニアのセラミック膜による水素の分離が試みられ、分離性能と分離機構の解明が行われた。 (4)工場から排出される150℃近傍の熱エネルギ-は利用されることなく捨てられている。ベンゼンの水添反応を用いて,300℃まで汲み上げて再利用を可能とするヒ-トポンプサイクルが研究された。本反応の工業化に必要な熱交換機能を有する優れた平板上の触媒が開発されて、耐久性も確認された。
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