研究課題/領域番号 |
02203202
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
福迫 尚一郎 北海道大学, 工学部, 教授 (00001785)
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研究分担者 |
田子 真 北海道大学, 工学部, 助手 (50171682)
山田 雅彦 北海道大学, 工学部, 講師 (70230480)
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キーワード | 固・気・液三相流動層 / 蓄冷熱操作 / 採冷熱操作 / 氷蓄冷熱 / 融解 / 二重拡散 |
研究概要 |
1.固・気・液三相流動層型熱交換装置の製作 試験部、供試水溶液循環系、および空気循環系よりなる実験装置を製作した。三相流動層を実現させるための作動流体として空気を用いた。試験部底部には分散板を設け、安定した孤立空気泡が供給されるようにした。試験部は、270mm×240mm×90mmの透明アクリル製容器で、前面は層内観察のためペアガラスを使用した。単管の場合には、加熱管を分散板上100mmの位置に水平に、管群の場合には3段千鳥配列(φ20mm加熱管11本、ピッチ50mm)の中心管が単管の場合と一致するように配置した。 2.固・液二相静止層内加熱管周りの融解と熱伝達 恒温室内に6ケ月以上保存した、微細氷球(約φ1mm)とエチレングリコ-ル水溶液の混合によりリキッドアイスを作成した。氷充填率(I.P.F.)は62%とした。時間の経過とともに、融解とともに、融解は水平方向に顕著であり、これは一般の氷やPCMの融解挙動と全く異なることがわかった。また、融解領域内に成層が存在し、この発生、移動、あるいは消滅により、加熱管周囲の熱伝達は大きな影響を受けることがわかった。加熱管周りの平均熱伝達率は、時間の経過とともに急激に低下し、その後融解領域内に対流が発生することにより増加することが、その後ほぼ低い一定の値を取ることがわかった。加熱管径、初期水溶液濃度の効果も検討した。 3.固・気・液三相流動層内単管および管群よりの融解熱伝達 三相流動層の場合、気泡が次々と連続して加熱管に衝突し分裂して上昇する。このとき、氷粒子は気泡に随伴して上昇することが観察された。氷の充填率が25%(実験開始時62%)になるまで、熱伝達率はほぼ一定に保たれ、しかもその値は、固・液静止層の場合の約20〜26倍に達することがわかった。また、熱伝達率は、熱流束および吹き込み空気量が大なるほど、加熱管径および初期水溶液濃度が小なるほど大きくなる。
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