• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

強相関電子系の物性発現におけるサイズ依存性

研究課題

研究課題/領域番号 02205007
研究機関東北大学

研究代表者

倉本 義夫  東北大学, 工学部, 助教授 (70111250)

研究分担者 渡辺 剛  東北大学, 工学部, 教授 (00005240)
キーワード重い電子 / 銅酸化物高温超伝導体 / 厳密対角化 / 自己無撞着摂動理論 / 近藤効果 / アンダ-ソン格子 / 4スピン相互作用 / ラマン散乱
研究概要

本研究では,強相関電子を含む系の物性発現の機構を明らかにするため,銅酸化物系に対しては,クラスタ-を数値的に厳密に扱う手法,及び重い電子系に対しては,有効媒質理論を発展させ,主に動力学的な性質を研究した。その際パソコンを大型計算機の端末として,また計算機本体として補助的な計算の遂行に活用した。更に出張により他大学の研究者と有意義な情報交換を行うことができた。以下に具体的な成果を報告する。
1.4スピン相互作用を含む有効モデルの導出。銅と酸素から構成されるCuー02次元面は,高温超伝導の発現に本質的な役割を演ずると考えられている。本研究では,Cuと0の共有結合に関与する電子のみを含む,いわゆるpーd混成モデルから出発し,低エネルギ-の励起を更に少ない自由度で記述するための有効モデルを厳密対角化の手法によって求めた。その結果4個の隣接するスピンが巡回的に交換をする相互作用が,最近接交換相互作用の約30%という非常に大きな値をとることを明らかにした。
2.スピン相関関数及びラマン散乱スペクトルの計算。有効モデルを4×4の正方格子上で厳密に解き,ラマン散乱スペクトルを計算し,4スピン相互作用が実験結果の理解に重要であることを指摘した。
3.遍歴・局在双対性の描像。強相関電子系を直感的に理解するための描像として,遍歴・局在双対性という概念を定式化した。この概念に基づいて,重い電子の示す特徴的な弱い反強磁性やメタ磁性を説明するための量子力学的現象論を展開した。また,1個のサイトを自己無撞着に決定される動的な有効媒質中におき,巨視系の励起スペクトルを求めた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 倉本 義夫: "重い電子の遍歴・局在二重性格" 日本物理学会誌. 46. 98-105 (1991)

  • [文献書誌] Y.Kuramoto: "Quantum phenomenology for heavyーfermion systems.I.Formulation of the duality model" Journal of Physical Society of Japan. 59. 2831-2840 (1990)

  • [文献書誌] C.ーI.Kim: "Selfーconsistent dynamical theory for the Anderson lattice" Journal of the Physical Society of Japan. 59. 2414-2425 (1990)

  • [文献書誌] H.J.Schmidt: "Dispersive singleーparticle excitations in high T_c copper oxides" Physical Review B. 42. 2562-2565 (1990)

  • [文献書誌] H.J.Schmidt: "Four spin interaction as an effective interaction in high T_c copper oxides" Physica C. 167. 263-266 (1990)

  • [文献書誌] H.J.Schmidt: "Momentum dependence of photoemission spectra in high T_c superconductors" Physica B. 163. 443-445 (1990)

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi