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1990 年度 実績報告書

励起子のアンダ-ソン局在に伴う光非線形応答の異常

研究課題

研究課題/領域番号 02205021
研究機関東京大学

研究代表者

花村 榮一  東京大学, 工学部, 教授 (70013472)

研究分担者 江崎 ひろみ  東京大学, 工学部, 教務職員 (90213545)
谷口 伸彦  東京大学, 工学部, 助手 (70227221)
永長 直人  東京大学, 工学部, 講師 (60164406)
キーワード励起子 / 励起子光非線形性 / アンダ-ソン局在 / メゾスコピックな双極子 / 位相共役波 / 弱局在 / 不純物効果 / ランダムポテンシャル
研究概要

励起子は、現実の結晶においては不純物散乱や超格子の間隔の揺らぎ・格子振動による散乱をうけ、有限のメゾスコピックなサイズのコヒ-レント長を持ち、メゾスコピックな遷移双極子モ-メントを持つ。ランダムポテンシャルの存在する系においては、励起子間の多重散乱による量子干渉効果により局在効果があらわれる。(アンダ-ソン局在)励起子ポラリトンに関して不純物散乱によりランダムポテンシャル効果を摂動により取り扱うと、光非線形性ー特に位相共役光発生の増大効果が予測される。このことをふまえ、本研究においては3次元系において励起子の局在ー非局在転移が起こる易動度端における3次の光非線形応答係数x^<(3)>の挙動、およびその量子サイズ効果を摂動論をこえた方法によってを調べることを目的とする。
まず、摂動計算の方法に関し、3次の光非線形応答x^<(3)>の計算過程に現れる項に相殺の問題との関係が明らかになった。
さらに詳しく3次の光非線形応答x^<(3)>に対する不純物の効果および系のサイズ依存性を調べる為に、不純物効果を摂動ではなく正確に取り込んだ数値計算を擬1次元系に対して現在行なっている。これはグリ-ン関数の系のサイズに対して成立するrecursion relationを用いる方法(マッキノンの方法)を3次の光非線形応答x^<(3)>に対して適用してものである。現在、位相共役波発生の3次の光非線形応答に関し、低不純物濃度では最適な系のサイズがあるらしいこと、高不純物濃度では、かなりランダムポテンシャルの揺らぎ自体が効くであろうということ、を示唆する予備的な結果が得られている。
アンダ-ソン局在をもたらす局在効果は、系の次元により(サイズ無限大の系においては)振舞いが異なることが知られており、今後、2次元系・3次元系においての振舞いがどうなるのかを調べる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] E.Hanamura: "Mesoscopic Enhancement of ThirdーorderーOptical Susceptibility due to Excitons in Semiconductor Microcrystallites" Solid State Commun.73. 551-555 (1990)

  • [文献書誌] E.Hanamura: "Optical Stark Effects of Excitonic Molecules" Solid State Commun.77. 575-581 (1991)

  • [文献書誌] E.Hanamura: "Laser Optics of Condensed Matter vol.2" Plenum Publishing Corporation, (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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