研究課題/領域番号 |
02205034
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中林 宣男 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (30014020)
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研究分担者 |
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (30126263)
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キーワード | 硬組織 / 4ーメタクリロイルオキシエチルトリメリット酸無水物 / 歯質 / EDTA / 接着 / 含浸層 / ハイブリッド / ハイドロキシアパタイト |
研究概要 |
37℃水中に於ける象牙質への接着耐久性は良くないが臨床成績は良い。この原因を探るとともに、in vitroにおいて耐久性のよい接着法を確立するために、象牙質への接着前処理法を再検討した。露出コラ-ゲンの残存を防ぐため、10ー3前処理時間を短縮し脱灰深さを薄くすることが解決策と考えたが、接着耐久性は向上しなかった。またコラ-ゲンの耐水性改善をするためグルタルアルデヒド処理を追加してみたが、最終的には耐水性の改善にはつながらなかった。 脱灰層の厚さを1μm以下にできる接着前処理剤として、EDTA3ー2(NH_4/Fe)を用いて、象牙質に対過接着の安定性を調べたところ、一年間にわたり接着強さは低下しなかった。この試料をTEM観察したところ、樹脂含浸層内のコラ-ゲンやHAPは4ーMETAとMMAとの共重合体で完全に包み込まれ、コラ-ゲンは酢酸ウランによる電子染色を受けないこと、HAPはHCIにより脱灰されないことが確認された。接着の長期水中における耐久性を獲得するには、HAPで囲まれたコラ-ゲンをできるだけ多くの樹脂でしっかりと取り囲むことが大切である。合わせてHAPを残存させ難い表層部ではレジン含量が多く、レジン含量が少なくなる脱灰層深部にHAPが残留する可能性が高いことが接着の安定化に有利に働く。
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