1990 年度実績報告書

マウス胚性未分化細胞を用いる遺伝子トラッピング

研究課題

研究課題/領域番号	02206206
研究機関	理化学研究所
研究代表者	相沢慎一理化学研究所, 分子腫瘍学研究室, 副主任研究員 (60073011)
キーワード	ジ-ントラップ / ES細胞 / キメラマウス / 変異マウス
研究概要	突然変異体の解析は生命現象を解明する上での手がかりとなり、変異体の集積量はその分野の研究に大きな影響力を与える。哺乳動物に於いてもクロ-ニングされた機能未知な遺伝子に付いてその機能を解析するための実験系は開発されつつあるが、ある現象に関わる未知遺伝子を探索するための方法の開発が大きな課題として残されている。無論この様な方法は遺伝子と表現型を直接結び付け得るもの出なければなない。導入DNAの染色体への無作為な組み込みを利用した挿入変異体の作成ー導入DNAをプロ-ブにした挿入部位遺伝子の同定が注目されるが、その頻度は10ﾟに1程度の頻度であり、これをマウス個体あるいは胚について行うことはできない。マウス4日胚より得られる胚性未分化細胞(ES細胞)が培養でき、ES細胞由来の子孫マウスの得られることは、マウス個体を1ケ1ケの細胞として取り扱えることを意味し、培養下では選別も可能である。そこで(1)ES細胞にLacZ遺伝子をレポ-タ-遺伝子として導入し、(2)ES細胞をin vivo,in vitroで分化させレポ-タ-遺伝子を特異的に発現するものを予備的にスクリ-ニングし、(3)キメラマウスを作成して特異的発現を解析、(4)ホモ変異マウスを作成して表現型を解析、(5)挿入部位遺伝子を導入DNAをマ-カ-として同定・解析することを試みることとした。文年度は(1)効率よくジ-ントラップを起こすためのベクタ-の改変を重ねると共に、(2)同ベクタ-を導入したES細胞を収集し、(3)in vitro.in vivoの分化系を用いLacZ発現様式を解析、(4)一部キメラマウス作成による検討を行った。

研究成果
(11件)

すべてその他

すべて文献書誌 (11件)

[文献書誌] Suda,Y.,Aizawa,S.,Furuta,Y.,Yagi,T.,Ikawa,Y.,Saitoh,K.,Yamada,Y.,Toyoshima,K.and Yamamoto,T.: "Induction of a variety of tumors by cー<erbB2>___ー and colnal nature of lymphomas even with the mutated gene (Val659→Glu659)." EMBO J.9. 181-190 (1990)
[文献書誌] Aizawa,S.,Suda,Y.,Furuta,Y.,Yagi,T.,Takeda,N.,Watanabe,N.,Nagayoshi,M.and Ikawa,Y.: "<Env>___ーーderived gp55 gene of Friend spleen focusーforming virus specifically induces neoplastic proliferation of erythroid progenito cells." EMBO J.9. 2107-2116 (1990)
[文献書誌] Lee,GーH.,Li,H.,Ohtake,K.,Nomura,K.,Hino,O.,Furuta,Y.,Aizawz,S.and Itagawa,T.: "Detection of activated cーHaー<ras>___ー oncogene in hepatocellular carcinomas developing in transgenic mice harboring albumin promoterーregulate simian virus 40 gene." Carcinogenesis. 11. 1145-1148 (1990)
[文献書誌] Yagi,T.,Ikawa,Y.,Yoshida,K.,Shigetani,Y.,Takada,N.,Mabuchi,I.,Yamamoto,T.,and Aizawa,S.: "Homologous recombination at cー<fyn>___ー locus of mouse embrynic stem cells with diphteria toxin A fragment gent in negative selection." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 87. 9918-9922 (1990)
[文献書誌] 須田容子、相沢慎一: "トランスジェニックマウスによる発癌モデル;導入癌遺伝子と協働する遺伝要因の解明" 実験医学:癌遺伝子研究の新展開ー生体調節と癌化の分子機構にせまる。. 8. 244-253 (1990)
[文献書誌] 八木健、相沢慎一: "ES細胞を用いる変異マウスの作製ー相同的組換えによる変異の導入" 代謝:免疫'90. 27. 177-186 (1990)
[文献書誌] 須田容子、相沢慎一: "フレンド白血病とgp55遺伝子" 医学のあゆみ:造血幹細胞と造血因子の最近の進歩. 156. 643-648 (1991)
[文献書誌] 須田容子、相沢慎一: "マウス個体レベルでの遺伝的操作による癌関連遺伝子機能の解明" 中外医学社:がん遺伝子研究ー最近の進歩.
[文献書誌] 相沢慎一: "Gene trgetting" 中外医学社:細胞生物学レビュ-.
[文献書誌] 相沢慎一、八木健: "ES細胞を用いた遺伝子タ-ゲッティング" 蛋白質・核酸・酵素:分子細胞遺伝学実験法.
[文献書誌] 相沢慎一: "医科分子生物学(村松正実編)" 南江堂,

1990 年度 実績報告書

マウス胚性未分化細胞を用いる遺伝子トラッピング

研究代表者

相沢 慎一 理化学研究所, 分子腫瘍学研究室, 副主任研究員 (60073011)

研究成果

[文献書誌] Suda,Y.,Aizawa,S.,Furuta,Y.,Yagi,T.,Ikawa,Y.,Saitoh,K.,Yamada,Y.,Toyoshima,K.and Yamamoto,T.: "Induction of a variety of tumors by cー<erbB2>___ー and colnal nature of lymphomas even with the mutated gene (Val659→Glu659)." EMBO J.9. 181-190 (1990)

[文献書誌] Aizawa,S.,Suda,Y.,Furuta,Y.,Yagi,T.,Takeda,N.,Watanabe,N.,Nagayoshi,M.and Ikawa,Y.: "<Env>___ーーderived gp55 gene of Friend spleen focusーforming virus specifically induces neoplastic proliferation of erythroid progenito cells." EMBO J.9. 2107-2116 (1990)

[文献書誌] Yagi,T.,Ikawa,Y.,Yoshida,K.,Shigetani,Y.,Takada,N.,Mabuchi,I.,Yamamoto,T.,and Aizawa,S.: "Homologous recombination at cー<fyn>___ー locus of mouse embrynic stem cells with diphteria toxin A fragment gent in negative selection." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 87. 9918-9922 (1990)

[文献書誌] 須田 容子、相沢慎一: "トランスジェニックマウスによる発癌モデル;導入癌遺伝子と協働する遺伝要因の解明" 実験医学:癌遺伝子研究の新展開ー生体調節と癌化の分子機構にせまる。. 8. 244-253 (1990)

[文献書誌] 八木 健、相沢慎一: "ES細胞を用いる変異マウスの作製ー相同的組換えによる変異の導入" 代謝:免疫'90. 27. 177-186 (1990)

[文献書誌] 須田 容子、相沢 慎一: "フレンド白血病とgp55遺伝子" 医学のあゆみ:造血幹細胞と造血因子の最近の進歩. 156. 643-648 (1991)

[文献書誌] 須田 容子、相沢 慎一: "マウス個体レベルでの遺伝的操作による癌関連遺伝子機能の解明" 中外医学社:がん遺伝子研究ー最近の進歩.

[文献書誌] 相沢 慎一: "Gene trgetting" 中外医学社:細胞生物学レビュ-.

[文献書誌] 相沢 慎一、八木 健: "ES細胞を用いた遺伝子タ-ゲッティング" 蛋白質・核酸・酵素:分子細胞遺伝学実験法.

[文献書誌] 相沢 慎一: "医科分子生物学(村松 正実編)" 南江堂,

1990 年度実績報告書

相沢慎一理化学研究所, 分子腫瘍学研究室, 副主任研究員 (60073011)

[文献書誌] 須田容子、相沢慎一: "トランスジェニックマウスによる発癌モデル;導入癌遺伝子と協働する遺伝要因の解明" 実験医学:癌遺伝子研究の新展開ー生体調節と癌化の分子機構にせまる。. 8. 244-253 (1990)

[文献書誌] 八木健、相沢慎一: "ES細胞を用いる変異マウスの作製ー相同的組換えによる変異の導入" 代謝:免疫'90. 27. 177-186 (1990)

[文献書誌] 須田容子、相沢慎一: "フレンド白血病とgp55遺伝子" 医学のあゆみ:造血幹細胞と造血因子の最近の進歩. 156. 643-648 (1991)

[文献書誌] 須田容子、相沢慎一: "マウス個体レベルでの遺伝的操作による癌関連遺伝子機能の解明" 中外医学社:がん遺伝子研究ー最近の進歩.

[文献書誌] 相沢慎一: "Gene trgetting" 中外医学社:細胞生物学レビュ-.

[文献書誌] 相沢慎一、八木健: "ES細胞を用いた遺伝子タ-ゲッティング" 蛋白質・核酸・酵素:分子細胞遺伝学実験法.

[文献書誌] 相沢慎一: "医科分子生物学(村松正実編)" 南江堂,