研究課題
「都市の内部ネットワーク」を研究課題とするE班は、最終年度である平成2年度中に研究会を4回、研究打ち合せ会を3回開催した。第1回の研究会はD班、F班との合同で、「華僑送金と都市のネットワーク」をテーマに報告と討論が行なわれた。第2回は、「イスラム都市を読む」の第3回目としてフセインースルタンーザーデ著『イランにおける都市と都市集住の歴史入門』をとりあげた。第3回は「暮しのなかのつきあいーパブ、コーヒー店、茶館ー」のテーマの下に、都市における集合のあり方を多角的に検討した。最後の第4回は、「都市の社会生活と砂糖」をテーマとして沖縄で開催し、「イスラム都市社会と砂糖」および「イギリス近代史上の砂糖」の報告に続いて、製糖工場の見学を行い、多くの知見を得ることができた。また研究打ち合せ会では、研究分担者相互の情報交換を行うと共に、都市の内部ネットワークについての研究のすすめ方を検討した。内部ネットワークの解明には、神秘主義教団と街区住民との関係を扱うことの重要性が指摘された。しかし秋の「全体集会」をにらんで、とりあえず「都市における集合」問題をとりあげ、パブ・コーヒー店、茶館のテーマから開始することを決定した。なお、「イスラム都市を読む」(読書会)は、E班独自のテーマとして有用であり、魅力的であることが改めて確認された。なおE班独自の活動ではないが、昨年度E班の読書会でとりあげたハキーム著『イスラーム都市ーアラブのまちづくりの原理ー』の翻訳出版が実現した。
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