研究課題
この研究では、10次元空間における超弦理論から我々の4次元時空の理論を導くことを目標にしている。残りの6次元部分がどのようなコンパクト空間であれば良いかについてはかなり明らかになってきたが、力学的にどのような機構でそのようなコンパクト化が起こるのか未だわかっていない。現在我々の持っている計算方法は、このような問題に答えるには不十分である事が明らかになってきた。特にコンパクト化などの非摂動効果の研究には、超弦理論を2次元場の理論と見たとき、2次元面のすべてのトポロジ-についてのたし上げが必要になるが、その技術が欠けている。一般の2次元場の理論の場合には難しいが、2次元面のトポロジ-だけで理論が決まっているような場合には足し上げられる可能性がある。そこで今年は主に2次元重力理論及びトポロジカル場の理論の研究を行った。特にどのような時に、非線形シグマ模型などの2次元場の理論がトポロジカルな理論になるかを調べた。この研究は全国の研究者の協力によって成り立っている。今年度も平成2年12月18日から12月21日までの4日間にわたって、高エネルギ-物理学研究所において研究会を開催した。全国から百名を越える参加者があり活発な質議・討論がおこなわれた。なお、この研究会の報告はKEK REPORTとして出版する予定である。
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