研究概要 |
CVDプロセス気相中のラジカルの検知や素過程の計測に各種のレ-ザ-分光法が用いられている。本研究でとりあげたレ-ザ-イオン化法(RIS)は,適用可能なラジカル種が多く,有力な計測手法として期待されている。昨年度までに,RISを他の計測法の適用が困難なメチルラジカルに適用してその有用性を示してきた。 本年度は,Si系ラジカルへのRISの適用について研究を行なった。その際,これまで行なってきた素過程の計測に加え,絶対密度の較正法を確立してRISを新しい計測法として確立することに主眼を置いた。得られた結果をまとめると次のようである。 1.ジシランをArFエキシマ-レ-ザ-で光解離し,RISによるラジカルの検知を行ない,Si原子,H原子が生成していることが確かめられた。 2.Si原子は,Si_2H_6+hν(193nm)→SiH_4+Si+H_2の反応による生成であると特定された。 3.Si原子を対象に絶対密度の較正法を確立した。これにより,生成しているSi原子の密度及び本測定の検知下限について定量的評価を行なった。 4.Si原子,H原子について密度の時間変化を追跡した。その結果Si_2H_6はほとんど反応しないことが明らかになった。一方,HとSi_2H_6の反応係数は,1.1×10^<ー13>cm^3/sと求められた。
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