研究課題/領域番号 |
02216104
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
後藤 輝孝 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (60134053)
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研究分担者 |
佐藤 憲昭 東北大学, 理学部, 助手 (30170773)
山戸 吉雄 東北大学, 科学計測研究所, 講師 (20006141)
鈴木 孝 東北大学, 理学部, 助教授 (30004344)
澤田 安樹 東北大学, 理学部, 助教授 (90115577)
大貫 惇睦 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40118659)
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キーワード | アクチナイド化合物 / フェルミ面 / 重い電子 / ドハ-ス・ファンアルフェン効果 / 希釈冷凍機 / 希土類化合物 |
研究概要 |
本計画研究では、アクチナイド化合物や希土類化合物のf電子系に特徴的に見いだされる重い電子状態の深い理解、とくに重い電子によって形成されたフェルミ面をdHvA効果の手法を用いて詳しく研究することを目標として設定しました。文字通り有効質量の重い、伝導電子である重い電子のdHvA効果の実験には、希釈冷凍機を用いた10mK領域の極低温が不可欠の条件となります。本計画研究では、重い電子のdHvA効果の実験を目的とした大型希釈冷凍機の開発製作が重点課題として設定された。基本設計は東北大・理学部・低温グル-プが行い、具体的な設計製作は、東北大・科学計測研究所附属工場がおこなった。東北大・科研に設置された第1号機は、8mKを達成し、CeB_6において音響的dHvA効果の観測に成功し、完成している。東北大・理には、第2号機が設置され、始運転に成功している。トップロ-ディング方式を採用した第3号機も、大略完成し、最終的なリ-クチェックがおこなわれており、年度内には、筑波大・物質工に設置される。第1号機、第2号機ともに、希釈冷凍機の“天敵"である真空リ-クに遭遇したが、立ち上げることができた。この間、数多くの純良単結晶の作成が進められ、dHvA効果を用いたフェルミ面の研究も発展した。また、バンド計算の精密化もおこなわれた。とくに、CeSn_3、CeNiのフェルミ面は、4f電子が遍歴的であるとしたバンド計算と実験とが一致していることが示され、4f電子が局在的であるCeB_6、CeSbなどとは区別されるべきことが明らかとなった。この成果は、今後の研究に指針をあたえるものである。質量増強機構については、多体効果であり、理解は容易ではなく、今後とも数多くの重い電子系についての精密な実験が必要となっています。
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