研究課題/領域番号 |
02219101
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青木 延雄 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20048937)
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研究分担者 |
安河内 幸雄 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60037398)
櫻川 信男 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50018678)
榊 佳之 九州大学, 遺伝情報実験施設, 教授 (10112327)
鈴木 宏治 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (70077808)
小出 武比古 新潟大学, 医学部, 講師 (60018695)
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キーワード | アルファ2プラスミンインヒビタ- / トロンボモジュリン / アルファ2マクログロブリン / 急性相蛋白 |
研究概要 |
1.線溶制御因子アルファ2プラスミンインヒビタ-の先天性欠損症の一家系において、1塩基の挿入によるフレ-ムシフトの結果、アミノ酸配列が約30%延長した異常蛋白が産生されるが、細胞内移送に障害が生ずるため、肝細胞より分泌されにくく、欠損症が生じることが明らかにされた。2.血管内皮表面蛋白トロンボモジュリンは、トロンビンと結合してトロンビン活性を阻害する。この阻害反応において、トロンボモジュリンはトロンビンB鎖上のThr147ーSer158の領域に結合することが明らかにされた。この領域のアミノ酸配列に対応するプペチドは、トロンビンのフィブリノゲン凝固作用とFV活性化作用を低濃度で阻害したが、アンチトロンビンIIIによるトロンビン阻害には影響を与えなかった。従って、トロンビンのトロンボモジュリン結合部位はフィブリノゲン、FVとの結合部位と重複することが明らかになった。3.トロンボモジュリンは、血漿中に4種の分子量の異る分子種として存在することが示され、各種疾患で、特に低分子のトロンボモジュリンが増量することが明らかになった。4.培養ヒト血管内皮細胞にヘパリンを添加すると、血管内皮細胞におけるプロスタサイクリンの産生が亢進することが見出された。5.線溶の阻止因子として働くアルファ2マクログロブリンは、急性相蛋白として、炎症に応答してマクロファ-ジから放出されるILー6によって、肝での産生分が亢進する。ラットのアルファ2マクログロブリン遺伝子の制御領域にILー6に応答して発現を誘導するエレメントが見出された。このエレメントは多くの急性相蛋白の遺伝子制御領域に共通に見出された。このエレメントに結合する蛋白因子が、正常および炎症時の肝いずれにも見出されたが、正常肝と炎症肝では分子量が若干異っていた。
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