1.発生段階特異性の検証:マウス8細胞期桑実胚から単離したMO25遺伝子の発現パタ-ンをRTーPCR法を用いて調べたところ、2細胞期から8細胞期にかけて転写物の著しい蓄積が認められた。また着床以後の胚においても弱い発現が続いていた。 2.完全長cDNAの単離:マウス8細胞期桑実胚から得たMO25cDNAクロ-ンは約300bpであり、ノ-ザンブロッティングによりもとめたmRNAのサイズである3.5kbの10%以下しかない。そこでMO25の発現が認められた16日胚cDNAライブラリ-から完全長cDNAのクロ-ニングを試みた。その結果、5'上流域全体とオ-プンリ-ディングフレ-ム(ORF)を含むと思われる2.3Kbのクロ-ンが得られた。 3.MO25にコ-ドされるタンパクの予想:MO25cDNAの塩基配列を決定したところ、984塩基からなるORFが見出された。このORFの配列から予想されるポリペプチド鎖は328個のアミノ配からなり、分子量は37.8Kdであった。またロイシンが全体の13%と多く、Nーグリコシド結合型糖鎖付加シグナルが3ケ所存在していた。ただし、現在のところMO25の塩基配列もアミノ酸配列も既知の配列と相同性は認められていない。 現在はMO25遺伝子の発現制御機構解析のために、ゲノムDNAのクロ-ニングを行っている。さらにMO25タンパクの特徴を調べるためにcDNAを発現ベクタ-に組み込み、大腸菌でタンパクを作らせ抗体を作製している。
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