研究課題/領域番号 |
02222209
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
宮崎 純一 熊本大学, 医学部, 助教授 (10200156)
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研究分担者 |
田代 文 熊本大学, 医学部, 助手 (40136213)
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キーワード | 主要組織適合抗原 / トランスジェニックマウス / アクチンプロモ-タ- / β_2ミクログロブリン / 発現ベクタ- / 免疫寛容 |
研究概要 |
前年度の研究により、ニワトリのβアクチンプロモ-タ-をマウスMHCクラスIL^dとK^b遺伝子に結合した融合遺伝子をC57BL/6、C3Hマウスに導入したトランスジェニックマウスを得ている。これらマウスでは体の様々の組織で、導入したクラスI遺伝子のmRNAが強く発現していることがノ-ザンブロット法で確認された。特に、普通は発現しない脳や筋肉でも強い発現が認められている。しかしながら、特異的な単クロ-ン抗体を用いた解析では脳や筋肉では細胞表面への発現が認められなかった。その原因として、クラスI抗原の細胞表面への発現に必要なβ_2ミクログロブリンがこれらの組織でほとんど発現していないことが考えられた。そこで、β_2ミクログロブリンをマウスの体全体で強く発現する目的で、強力なCAGプロモ-タ-(サイトメガロウィルスエンハンサ-をβアクチンプロモ-タ-に結合したもの)にβ_2ミクログロブリンcDNAを結合した融合遺伝子をC57BL/6マウスに導入して、トランスジェニックマウスを作製した。F_0マウスのスクリ-ニングの結果、6匹のトランスジェニックマウスが確認されており、F_1マウスを得るための交配を行っている。マウスβ_2ミクログロブリンに対するウサギ抗血清は米国の研究者により入手しており、F_1マウスにおけるβ_2ミクログロブリンの発現を調べる準備は出来ている。なお、CAGプロモ-タ-はマウス受精卵や未分化な胚性幹細胞でも働くことから、発生時期や組織特異性をほとんどもたない有用なプロモ-タ-と考えられる。このCAGプロモ-タ-を用いた哺乳動物細胞用の強力な発現ベクタ-pCAGGSが完成し、様々な細胞でその非常に強い発現が確認されている。
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