先史モンゴロイド集団の拡散と適応戦略

1990 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 02225103
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 赤澤 威 東京大学, 総合研究資料館, 助教授 (70013753)
• 研究分担者: 大塚 柳太郎 東京大学, 医学部, 助教授 (60010071) ; 米倉 伸之 東京大学, 理学部, 教授 (30011563) ; 杉田 繁治 国立民族学博物館, 教授 (40026042)
• キーワード: モンゴロイド / 日本人 / アメリカンインディアン / 人種・民族 / 遺伝 / アイソト-プ / 最終氷期 / 古環境

研究概要

計画研究A05「拡散モデルの構築」の協力を得て、各研究項目が蓄積する専門的・個別的デ-タベ-スを収集・編集・加工し、各種画像デ-タベ-スを構築した。
1.鳥居龍蔵写真資料画像デ-タベ-ス
鳥居龍蔵博士が約1世紀前に撮影した日本周辺モンゴロイド諸民族の写真資料約2500枚を、写真イメ-ジ、博士自身の記録、写真属性デ-タをあわせて画像デ-タベ-ス化した。
2.モンゴロイド系諸民族の古写真画像デ-タベ-ス
19世紀後半ー20世紀初頭におけるモンゴロイド諸民族の映像資料を、欧米の研究施設や個人コレクションにて発掘、複写し、付帯資料とあわせて系統的に整理・分析して画像デ-タベ-ス化する作業をすすめている。
3.人類拡散・移住画像デ-タベ-ス
アフリカ大地溝帯で発見されている約400万年前の最古の人類遺跡から、南アメリカ最南端で発見された約1万年前の遺跡までの1034遺跡について、14項目の属性デ-タを収集し、それを加工、編集したデ-タベ-ス(遺跡ファイル)を構築した。そのファイルと、各時代の自然環境(古地理)、遺跡景観、遺跡に伴った各種遺物等の映像を重ね併せ、数百万年前アフリカで発生した人類がその後どのように居住域を広げていったかを、時間の経過をたどりながら再現する画像デ-タベ-スを構築した。

研究成果

• [文献書誌] T.AKAZAWA: "E^^´cologie de L'occupation de la Grotte de Douara,Syrie,au Pale^^´olithique Moyen" L'Anthropologie. 92. 883-900 (1989)
• [文献書誌] T.AKAZAWA: "The Ecology of the Middle Palaeolithic Occupation at Douara Cave,Syria" Les Annales Arche^^´ologiques Arabes Syriennes. 41. 1-25 (1989)
• [文献書誌] T.AKAZAWA: "Les premiers riziculteurs du Japon" La Recherche. 218. 142-149 (1990)
• [文献書誌] Ohba,T.,Masaki,M.and Ohtsuka,R.: "A simulation model for migration and dispersals of prehistoric human populations." Journal of Anthropological Society of Nippon.98.
• [文献書誌] Ochiai,Kazuyasu: "Meanings performed,symbols read:Anthropological studies on Latin America." Institute for the Study of Languages and Coltures of Asia and Africa.(1989)
• [文献書誌] 佐々木 史郎: "アム-ル川下流域諸民族社会・文化における清朝支配の影響について" 国立民族学博物館研究報告. 14. (1990)
• [文献書誌] 鳥居龍蔵写真資料研究会: "東京大学総合研究資料館所蔵 鳥居龍蔵博士撮影写真資料カタログ" 東京大学総合研究資料館 標本資料報告Nos18〜21, 896 (1990)
• [文献書誌] 東京大学総合研究資料館特別展示実行委員会: "乾板に刻まれた世界ー鳥居龍蔵の見たアジアー" 東京大学総合研究資料館, 247 (1991)