重点領域研究「先史モンゴロイド」では、地球上の大陸の地形、民族、言語、植生、各種の遺跡の分布図など種々の分野の地理デ-タが多量に収集される。それらを効率よく蓄積、検索するだけでなく、種々の分野の地理デ-タを総合的に利用して、単一の分野だけでは得られない仮説の形成や検証を可能とするインタ-フェイスは重要である。 本研究では、このような目的に適した地理デ-タベ-スのプロトタイプを構築すると共に、これらのデ-タを有機的、総合的に利用することを可能にする知的インタ-フェイスを開発する。本年度は、主として次の3点について研究を行った。 (1)知的インタ-フェイスの基本設計:本重点領域研究で扱われる各分野の地理デ-タの特性を調査、整理した昨年度の研究結果に基づき、デ-タベ-スの基本設計を行った。さらにインタ-フェイスの基本仕様を定め、蓄積されたデ-タを検索し、地図上に種々の形式で描画するシステムを作成した。 (2)画像デ-タの効率的な蓄積法:地理デ-タを2次元線図形、または2次元画像として効率よく蓄積するために必要な情報圧縮法について、とくに算術符号を用いた圧縮の方法、およびニュ-ラルネットワ-クを用いた圧縮の方法について研究した。 (3)地理デ-タの効率的な入出力法:膨大な地理デ-タを効率よく入力し、また出力するための方式について検討した。主として地図を画像として入力し、画像処理技術を用いて曲線の抽出を行い、それをベクトル近似して地図デ-タとするための方式を開発した。
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